ベスト・キッド
THE KARATE KID(2010年/アメリカ)
監督 ダグ・リーマン
出演 マット・デイモン(ジェイソン・ボーン)
フランカ・ポテンテ(マリー・クルーツ)
クライヴ・オーエン(殺し屋・教授)
クリス・クーパー(テッド・コンクリン)
ブライアン・コックス(ウォード・アボット)/他
1984年に大ヒットした同名映画をウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスとジャッキー・チェンの共演でリメイクした作品。オリジナルは、『日曜洋画劇場』などで何回も放送されてよく見たが、今回のリメイク版は、なんと言ってもジャッキー・チェンが師匠役を演じているところが最大の見所。師匠と言うには大袈裟かもしれないがトレーナーと言うべきだろうか。オリジナルは、アメリカが舞台で主人公が空手を習うのに対して、今回の舞台は、中国で、主人公は、空手ではなく、カンフーを習う。
アメリカのデトロイトから北京に移り住んだ黒人の母子。12歳のアメリカ人少年のドレは、通い始めた学校でイジメに遭い、知り合いになったマンションの管理人のハンからカンフーを習って、武術大会でいじめっ子達を見返そうとする。映画全体の勢いや熱血漢で比べるとやはり、監督ジョン・G・アビルドセン、音楽がビル・コンディコンビのオリジナルのほうが圧倒的に燃える展開だった。まあ、あの『ロッキー』シリーズのコンビなのだから、ボルテージが上がるのは、当然なのですが、今回は、ジャッキー演じるハンが自らが起こした車の事故で妻子を失い苦悩する姿が描かれていたり、かなりしなやかでもの静かな雰囲気で展開されている。ハンが『酔拳』に出てきた師匠のような、破天荒でおふざけばかりするキャラだったら、どんな展開になっていたのか別バージョンとして見てみたいものだ。万里の長城の練習風景や山頂の寺院の風景などいかにも中国的な場所が次々と出てきて、何か観光案内でもされているような雰囲気もあったが、ジェイデン・スミスのアクション演技は、素晴らしく、ジャッキーのしなやかな師匠ぶりも新鮮で良かった。
師匠役を演じたノリユキ・パット・モリタが出演するオリジナルシリーズは、「4」まで続編が製作されたが、今回のジャッキー版の続編も期待したい。
ある夜、イタリアの漁船がマルセイユ沖の海上に浮かんでいた若い男を発見する。引き上げられたその男の背中には、弾痕があり、そこに埋め込まれていたマイクロカプセルには、スイスの銀行の口名義の数種類のパスポートと大金と拳銃を手に入れる。やがて、男は、暗殺者達に狙われ始めた…。