ビックヒット
THE BIG HIT(1998年/アメリカ)
監督 カーク・ウォン 出演 マーク・ウォルバーグ(メルビン・スマイリー) |
ジョン・ウーが製作総指揮を手掛けたアクション作品。ウェズリー・スナイプスが製作にも関わっている。ほどよくB級感が漂っていて、カーチェイスや銃撃戦などは、やはり、ジョン・ウーらしい過激な演出が満載。冒頭、ビルに仕掛けた爆弾から逃れるため、派手なバンジージャンプを繰り広げる場面などでのCG処理が少し気になったりもしましたが、全体的には、それほど気にならずカッコ良い場面作りが多くて楽しめました。話しの中盤では、アットホームなホームドラマになって、ドリフ風のコントのようにも見えたのですが、後半からクライマックスにかけて、徐々にボルテージが上がり、派手なアクションが盛り上っていく。こう言うメリハリが利いてる展開も好きです。
主人公のメルは、人には、嫌われたくないタイプで、大人しい、ちょっと優柔不断な殺し屋。仲間には、裏切られ、誘拐した日本人の社長の娘には、言いように振り回され、ことごとく間抜けさを発揮するが、憎めない奴。『レオン』のレオン以上に、お茶目である。『ヤングガン』シリーズなど、昔は結構シリアスな映画に出演していたルー・ダイヤモンド・フィリップスが、今回は、スリムな肉体と二丁のナイフを鮮やかな手さばきで使いこなす殺し屋を、コミカルに演じているところが妙に笑えてしまう。ビック・トップ・ビデオの店長は、なぜあそこまで『キングコング2』の返却にあれだけ熱くなれるのか?そのオーバーアクションぶりがまた笑える。
後半のカーチェイスシーンでは、『ナイトライダー』のナイト2000と同型の黄色いトランザムが登場するのですが、最終的に激しい銃撃戦の上、ぼこぼこにされてしまい、ちょっと惨めな感じがしました。しかし、90年代の後半の映画で、あのトランザムが見れるのは、中々貴重です。クライマックスでは、車が山の斜面から転がってきたり、崖から落ちて来たリと、ハラハラさせるアクションシーンがたくさんあるのも見所。
メルは、超一流の腕を持つ殺し屋だが、性格は、純情でお人好し。金銭トラブルを抱え、てんてこ舞いのメルは、殺し屋仲間のシスコ達に誘われ、ある誘拐計画に参加し、日本人が経営する産業会社の娘を誘拐する。しかし、誘拐した娘は、自分達のボスの知り合いだった事がわかり・・・。