コラテラル

COLLATERAL(2004年/アメリカ)

監督 マイケル・マン

出演 トム・クルーズ(ビンセント)
   ジェイミー・フォックス(マックス)
   ジェイダ・ピンケット=スミス(アニー)
   マーク・ラファロ(ファニング)
   ピーター・バーグ(リチャード)/他


テレビシリーズ『刑事スタスキー&ハッチ』『特捜刑事マイアミバイス』などの脚本を担当したマイケル・マン監督が新世紀に新たなドラマを生み出した。ロサンゼルスで働く平凡なタクシー運転手のマックスのタクシーに乗り込んできた客は、5人の殺しを請け負う殺し屋ビンセント。マックスは、ビンセントの「足」として利用されてしまう。

ロスの夜明けまでの10時間の間に起こる様々な出来事。『24』ならぬ、『10』と言った感じ。空から降ってきた一体の死体によって自分の信じていた日常をいとも簡単に覆されてしまったマックスと、人前でも冷静沈着に人殺しを成し遂げるビンセント。全く異なる生き方が黄色いタクシーの中で激しくぶつかり合って行く。

一番印象に残ったシーンは、クラブでビンセントが人殺しをした後、逃走するタクシーの中で二人が交わすセリフがズシンと響いた。また、クラブで流れていたテクノの音楽、タクシーの中で二人がお互いの生き方を批判し合っている時に流れる音楽も二人の熱いぶつかり合いを盛り上げていて、最高にはまっていた。

トム・クルーズが白髪、中年の殺し屋ビンセントを鮮やかに演じている。クライマックスでマックスとアニーをひたすら追い続ける姿は、もはやターミネーター状態。一番後ろの車両の扉を開け、中に乗り込んで行くところなどは、とくにそう見える。冷酷無比な反面、マックスとの交流で少しずつ自分の非情さを感じ取って行く姿が印象的だった。

10時間と言う短い時間の中で、偏に「友情」とは言えない何かを感じ取った立場の違う二人がお互いの生き方を見つめ、共鳴し合う。久々に骨太なアクション「ドラマ」を見たような気がする。ここ一年では、確実にマイヒットナンバー1な作品です。


ロサンゼルスでタクシー業を営むマックス。今日も普段と変わりない日常を送るはずだった。マックスは、とある場所で、ビンセントと名乗る男を乗せた。ビンセントは、多額のチップと引き替えに、一晩の間だけマックスに専属運転手になるよう依頼する。最初の目的地に辿り付き、ビンセントが建物の中に入った後、信じられない事態が起きた。マックスの車の頭上から死体が降ってきたのだ。やがて、マックスは、ビンセントが組織に雇われた殺し屋であることを知る…。


 

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