コマンドー

COMMANDO(1985年/アメリカ)

 

監督 マーク・L・レスター

出演 アーノルド・シュワルツェネッガー(ジョン・メイトリックス)
   アリッサ・ミラノ(ジェニー・メイトリックス)
   レイ・ドーン・チョン(シンディ)
   バーノン・ウェルズ(ベネット)
   ビル・デューク(コック)
   ジェームズ・オルソン(フランクリン・カービー将軍) /他


『ターミネーター』で一躍時の人となったアーノルド・シュワルツェネッガーが元陸軍特殊部隊隊長の役で主演した超傑作アクション。かつての仲間に誘拐された娘を助けるため、逞しい肉体と知恵を武器に、様々な難関を豪快に乗り越えて行くシュワちゃんの姿が痛快。当時は、「これじゃあターミネーターと同じだよ」と思わず声を上げたが、まさに人間味を持ったターミネーターと言っても違和感はない。シュワルツェネッガーが現れる前まで筋肉スターの名声を独占していたシルベスター・スタローンは、この映画が公開された年にランボーシリーズの第2弾『ランボー・怒りの脱出』を公開し、ヒットさせている。2大肉体派スターが肩を並べ始めた時代の象徴と言っても過言ではない作品だが、ここから、シュワルツェネッガーの快進撃が始まったような気がする。

森の斜面で4WDを暴走させ、敵の車に激突したり、バル・ベルデ行きの飛行機の中で見張り役の男の首を一捻りし、離陸したジャンボ機の車輪にしがみついて、川へ飛び降り、ショッピングセンターでは、大乱闘を繰り広げ、中に入っていたサニーごと電話ボックスを持ち上げて、振り落としたり、ターザンのようなロープアクションを見せたり、駐車場で車に轢かれてもへっちゃら…と、まるで超人、スーパーマンのごとく活躍を見せるメイトリックス。最後は、コマンドーの姿となって、単身島に乗り込み、敵をサバサバと倒して行く姿が、最高。不運な目に合いながらも、やがて、メイトリクスに協力するシンディの活躍も見逃せない。武器屋で銃器類を盗みに入ったメイトリックスが警察に捕まり、彼を助けるために、警察の護送車にロケットランチャーを打ち込もうとするが、使い方を間違えて、逆方向に撃ってしまうところは、何度見ても笑える。日本語吹替え版のセリフの言い回しやノリの良さもこの映画の面白さに相乗効果を与えている。とくに個人的には、玄田哲章氏がシュワルツェネッガーの声を担当したテレビ朝日版の日本語吹替え版の完成度が凄い。メイトリクスに拉致されたシンディが再三危険な目に遭って、「今日は厄日だわぁ…」と嘆くセリフや、メイトリクスが崖の上でサリーを片腕だけで逆さ釣りにして、話を聞いた後、シンディが「あいつは、どうしたの?」の後のメイトリクスのセリフ「はなしてやった」などのやりとりも最高にウケた。

1987年TBSの火曜ロードショーを皮切りに、日曜洋画劇場や金曜ロードショーなどでも再三テレビ放送されてきたが、日曜洋画劇場(テレビ朝日)版の日本語吹替えが収録されたDVDが先頃発売された。吹替えが初収録されたディレクターズカット版には、未公開シーンなども追加されており、興味深い内容になっている。


娘のジェニーと共に山荘で静かな生活を送っていた元陸軍特殊部隊隊長のジョン・メイトリックスの元に、かつての上司・カービー将軍がやってくる。メイトリックスは、カービーから昔の部下たちが次々と殺されていることを聞くが、カービーが帰って間もなく、何者かが山荘を襲い、ジェニーを連れ去った。黒幕の南米バル・ベルデの元大統領アリアスは、メイトリックスにジェニーの命と引き換えに、現大統領の暗殺を命じる。メイトリックスは、黒人の見張り役と共にバル・ベルデ行きの飛行機に乗せられるが、見張り役の男の息の根を止めた後、離陸直後の飛行機から飛び下りる。飛行機がバル・ベルデに到着するまでの11時間の間にジェニーを救出しなければならない…。


 

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