コンエアー
CON AIR(1997年/アメリカ)
製作 ジェリー・ブラッカイマー
監督 サイモン・ウェスト
出演 ニコラス・ケイジ(キャメロン・ポー)
ジョン・キューザック(ビンス・ラーキン)
ジョン・マルコビッチ(サイラス・グリサム)
スティーブ・ブジェミ(ガーランド・グリーン)
ヴィング・レイムス(ダイヤモンド・ドッグ)
M.C.ゲイニー /他
タイトル「コン・エアー」は、実際アメリカ連邦保安局の空輸隊で、出廷、医療緊急事態、因人輸送などを行っているとか。だからこの映画の舞台は、凶悪犯が乗り込む巨大なジャンボ旅客機の中。初め主人公をニコラス・ケイジが演じていると聞き、正直驚いた。これまでこういう類の映画の主役を張ってきたアーノルド・シュワネツェネッガーや、シルベスター・スタローンなどと比べて、華奢で細身のニコラスが、どんなアクションをするのだろうと、あまり期待しなかった。ただこの作品以前に「ザ・ロック」でショーン・コネリーと共演している前歴もあるので、とりあえず劇場に見に行ったが、しかし映像は、自分の思った以上のもので予想外に面白かった。今までの役どころと比べ、肉付きのいいニコラスが、たちの悪そうな超凶悪犯相手に一人立ち向かっていく。ヘリやセスナなどの戦闘機も登場し、今まで見たこともないような過激な大アクションが展開される。1秒感覚で次々と切り替わるアクションカットもあそこまではちゃめちゃにやってしまうと、すがすがしい気分になる。
それに何より面白かったのは、スティーブ・ブジェミ演じる快楽連続殺人犯ガーランド。本当に異常犯罪者ではないかと思うくらい、真に迫っている。なんと言ってもどこか気の抜けたようなあの表情が良かった。ハードに展開するアクションカットに、プジェミの不気味な魅力を醸し出すカットがブレンドされ、画面全体の緊迫した空気を和ませてくれている。この映画の中で一番おいしいキャラクターは、紛れもなく彼だろう・・・。
些細なトラブルで、バーで絡まれた男を殺してしまい、8年間の刑務所暮らしをしていた元陸軍突撃隊員のキャメロン・ポーは、出所の日を迎えた。服役中に生まれた娘のケイシーに会うのが待ち遠しいポーは、凶悪犯が同乗する空輸機、「コン・エアー」に乗せられる。最初の目的地だったカーソンを離陸後、警官達の目を盗み、因人達が機内を占拠する。首謀者は、「猛毒」の異名を持つサイラス・グリサム。彼らは、カーソンで乗り込んできた大物麻薬密売人の息子、シンディーノを父親に送り届け、莫大な金を手に入れようとしていた・・・。