デスプルーフ

DETH PLOOF(2007年/アメリカ)

監督 クエンティン・タランティーノ

出演 カート・ラッセル(スタントマン・マイク)
   ヴァネッサ・フェルリト(アーリーン)
   シドニー・ターミア・ポワチエ(ジャングル・ジュリア)
   ジョーダン・ラッド(シャナ)
   ゾーイ・ベル(ゾーイ)/他


テキサスののどかな田舎町で繰り広げられるクライマックスの70年代風味のカーチェイスシーンが中々見応えのあるホラーカーアクションムービー。カート・ラッセルが元スタントマンの殺人鬼を熱演。テレビシリーズ『ナイトライダー(2008年版)』に出演する人気DJ役のシドニー・ターミア・ポワチエや、バーのマスター役で監督のタランティーノも出演している。

フィルムの傷や埃、音割れなどをわざと入れ、昔風のフィルム映画のイメージを演出した画面作りが印象的。冒頭からスタントマンマイクの最初の標的になる三人の女たちの他愛もないガールズトークが延々と続く。マイクが自分の車(耐死仕様=デス・プルーフ)について説明している時に、「本物の車同士がぶつかり合い、生身の人間が運転してた」と言う今のCGを使ったカーアクションを暗に批判しているようなセリフもあったが、確かにこの映画におけるカーアクションシーンは、全て本物。三人の女性達が乗る車にスタントマンマイクが乗るシボレーノバが真正面から衝突する場面が圧巻。正面衝突した瞬間の女たちの生々しい様子を映したスローモーション映像がグロい。とくに、ぶつかった瞬間、跳ね上がってジャンプしたノバの前輪が車の中にいる女の顔面をものの見事に踏みつける映像は、インパクトがあった。こうして、スタントマンマイクによる殺人が何度も繰り返されて行くのかと思いきや、そうならないのがタランティーノ映画の面白さ。

後半、『バニシング・ポイント』の映画の話で盛り上がっている車オタクを含めた三人の女たちがスタントマンマイクの2番目の標的となり、三人が乗るダッジ・チャレンジャーをマイクが乗り込んだダッジ・チャージャーが追いかけ回すが、その途中から立場が一転する。強面の殺人鬼だったはずのマイクが気弱なただの親父になってしまうところが面白かった。ダッジ・チャレンジャーのボンネットの上に張り付いて、スタントマンまがいのことをするとゾーイが、マイクのチャージャーによる激しい体当たりによって何度も車から落ちそうになるカーアクションシーンは、最高だった。


テキサス州オーステインの人気DJ、ジャングル・ジュリアは、友人達と街へ出て、他愛のない会話で盛り上がっていた。そんな彼女たちをつけ狙う謎の男、スタントマン・マイク。14ヵ月後、テネシー州で映画の撮影に参加していたスタントウーマンのゾーイは、友人達と会い、ある計画を実行するが、彼女たちをスタントマンマイクが狙っていた…。


 

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