アイアン・イーグル

IRON EAGLE(1986年/米)

監督 シドニー・J・フューリー

出演 ルイス・ゴセット・Jr(チャールズ・”チャッピー”・シンクレア)
   ジェイソン・ゲドリック(ダグ・マスターズ)
   ティム・トマーソン(テッド・マスターズ)
   キャロライン・ラガーフェルト(エリザベス・マスターズ)
   ランス・レガルト(エドワーズ将軍)/他


『エアーウルフ』『トップガン』『メタルブルー』などと並び、80年代半ばのアメリカ映画は、まさに「戦闘機」ブームだった。この作品、実は今回初めて見たのだが、ストーリーの設定上には、多少の違和感を感じたものの、F−16戦闘機とミグ21の戦闘シーンの迫力は中々なもの。18歳の少年が、空軍の戦闘機のパイロットになってしまうところがいかにもアメリカン・ドリームと言ったところだろうか。たった2機のF−16戦闘機で中東に向かい、捕虜にされた自分の父親を助けようとするところを見ると、あまりに荒唐無稽な部分もあるが、若者に夢と希望を与えるアメリカ映画の精神は買ってあげたいと思う。

またこの映画の見所はF−16ファイティングファルコンの魅力。当時の最先端技術を結集したまさに怪物的戦闘機。操縦操作がコンピューターで処理されるFBW=フライ・バイ・ワイア装置や、前方を見るだけで全ての情報がわかるHUD=ヘッドアップディスプレイ装置などが装備され、AIM−9サイドワインダーミサイルが装備されている。値段は当時価格で50億円とか。

この映画を見てて思ったのは、18の若者でもセスナ機をやすやすと乗りこなせることのできる広大な土地を持つアメリカをただただうらやましく思ってしまったところだ。狭い日本じゃ、18歳の若者にセスナ機の操縦なんて絶対にさせないし、そんな発想にも及ばないだろう。現状の日本では、そんなことできる程の寛大な国でもない。日本人全体の発想力が乏しくなるのは、きっとこういったことも原因があるのだろう。すばらしや、アメリカ。

シーン展開やそのテンポはいまいち悪く、飛行シーンは数あれど、その他の部分はほとんど青春映画そのもの。主人公が18であると言うのも話の展開を少し狭めている気もしましたが、こういう無茶をすることこそがアクション映画の醍醐味だと思います。リアリティ云々を通り越して、受け入れられるものかどうかは見た方の判断にお任せ致します・・・。

撮影は、『ブルーサンダー』『ハイジャック』などで空中アクションを指揮した第2班監督のジム・キャビン、そして『ターミネーター』のカメラマン、アダム・グリーンバーグによって迫力ある映像が撮られています。

劇中のロックサウンドには、バジル・ボールドウリスの「若き勇者たち」、クイーンの「ワン・ビジョン」、そしてキング・コブラの「アイアン・イーグルのテーマ」などが参加し、映画のテンションを高め盛り上げています。

このシリーズは全4作に渡って制作されています。

空軍基地近くにある街・ピーチャーに住んでいる高校生ダグ・マスターズは、F−16ファイターパイロットである父・テッドと、いつか共に大空を飛び回ることを夢見ていた。士官学校を卒業してまもなく、中東上空でテスト飛行をしていたテッドの戦闘機がミグに撃墜され、テッドは捕虜として拘束されてしまう。領空侵犯の罪で死刑を宣告され、政府や軍にも見放されたテッドを救うため、ダグは、退役空軍大佐のチャピーの力を借り、F−16に乗り込む・・・。

 

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