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十面埋伏(2004年/中国)

監督 チャン・イーモウ

出演 チャン・ツィイー(シャオメイ)
   金城武(ジン)
   アンディ・ラウ(リウ)
   ソン・タンタン/他


『HERO』のスタッフが再び結集して製作された中国、台湾、香港のスター共演のラブストーリー。今回もCG、ワイヤーを大胆に取り入れた激しいアクションシーンが数多い。ワダエミの鮮やかな衣装が舞うアクションなど、オープニングの遊郭での舞いは、端麗でヴィジュアルの美しさにも圧倒される。盲目の演技をしながらかつ華麗な踊りやアクションを見事に披露したチャン・ツィイーのパワフルな演技も良かった。

ただ、『HERO』など2000年代以降のこの手の作品は、自分の中ではどうも評価がし辛い。確かにCGを取り入れたアクションシーンには、映像的に面白い部分もたくさんあるのだが、なんだか不必要に取り入れ過ぎている感じもして、ストーリーの中で映像が浮いてしまっていると言うか、漫画チック過ぎて逆に不自然さを感じてしまう事の方が多い。この映画も、ナイフがありえない動きをしたり、竹林での空中戦では、集団に囲まれて竹が針のように降ってくるのだが、これまた『HERO』の千本槍のように見事に主人公達に当たらないのが笑えてしまう。突然、降り注ぐ雪の中で剣を向け合う金と瀏だが、何時間ぐらい戦っているのだろう。美しい自然の風景もなんだかCGで着色でもしたのではないかと思えてしまい、なんとも疑心暗鬼にかられる場面が多いのだが、それでもこの映画の映像美には、素直に溶け込めたような気がする。

ラストは、ちょっとあっさりとし過ぎだったが、芸術的な映像を楽しむなら、最高の一本と言える。アニタ・ムイに捧ぐと書かれていたが、どうやら病気になる前にこの映画に出演する事が決まっていたようです。


西暦859年、唐代の中国で、朝廷は、最大の反乱軍『飛刀門』の撲滅を画策し、官史の金と瀏にその指導者を捕らえるように命じる。金は、反乱戦士を装って、飛刀門の娘の目の不自由な小妹に近づく。小妹を救出する演技をしながら、敵のアジトに導かせようとするのだが、その途中で二人は、恋に落ちてしまい…。


 

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