ラッシュアワー3

RUSH HOUR 3(2007年/アメリカ)

監督 ブレット・ラトナー

出演 ジャッキー・チェン(リー)
   クリス・タッカー (カーター)
   真田広之(ケンジ)
   工藤夕貴(ジャスミン)
   ロマン・ポランスキー (レヴィ)/他


ジャッキーが本格的にハリウッドに進出した記念すべきシリーズの第3弾。今回の舞台は、パリ。1作目から10年、2作目から6年ものブランクがあったが、それを感じさせない二人のコンビネーションや立ち回りが良かった。ジャッキーにおいては、50代半ばと言う年齢ながらも、まだまだ機敏で繊細なアクションをこなしていて、衰えを感じさせない。そして、今回の敵役となった真田広之も素晴らしいアクションを披露していた。真田氏演じるケンジは、過去にジャッキー演じるリーと兄弟のような関係。リーとケンジが冒頭と中盤で対面した時に日本語でやりとりする場面があったが、そのシーンも中々カッコ良かった。

冒頭からクライマックスシーンまでの息もつかせぬ程の波乱に次ぐ波乱の展開は、これまでのシリーズでも見られた光景だが、前作と比べると、やたらシンプルになったと言うか、あっさりとし過ぎた展開で、物足りない感じがした。クライマックスでリーとケンジがエッフェル塔から落下した後、鉄塔の柱や足場で激しい剣の打ち合いをし、カーターが白スーツの男達と1人で格闘するスピーディーなカットバックの場面は、面白かったが、ケンジを早々と死なせてしまったのは、いただけない。できれば、もう一波乱ぐらいは、欲しかった。

女殺し屋ジャスミンを演じる工藤夕貴もジャッキー相手に激しいナイフ投げのアクションを見せ、中々良かったが、ラストは、あまりに呆気な過ぎだった。エンディングで流れたNGシーンでは、工藤氏がナイフ投げの練習中に、謝ってジャッキーのほうに投げてしまうハプニングシーンも映っていたが、その後どうなったのかが気になる…。日本人俳優二人がこのようなハリウッドの娯楽大作に出演したのは、画期的な事だが、キャスティングでもう一つ気になったのは、『ローズマリーの赤ちゃん』や『チャイナタウン』などの監督ロマン・ポランスキーが警視役で出演していたところ。

二人がパリで知り合ったタクシードライバーは、初めアメリカ人を嫌っていたが、確かにその理由は、わからないでもない。しかし、二人と様々な修羅場を乗り越えて行くうちに、協力し合う仲になり、ラストは、かなりおいしい所取りをしていたのが笑えた。最近は、『TAXi』シリーズの影響で、フランス国内でのカーアクションもあまり珍しくなくなった。この映画でもカーアクションシーンが展開したが、バイクを支柱にしてのユニークな片輪走行シーンは、中々面白かった。このタクシードライバーは、『TAXi』シリーズを意識したキャラのように見えたが…。


中国大使のハンが国際法廷の場で中国マフィアのボス「シャイシェン」の秘密を明らかにしようとしていた矢先、何者かに狙撃される。ハンの護衛についていたリーは、向かいのビルで怪しい人影を見つけ、必死の追跡を始める。暗殺者の男を追いつめるが、その男は、かつてリーが兄弟同然に慕っていた男・ケンジだった。


 

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