デビル
THE DEVIL'S OWN(1997年/アメリカ)
監督 アラン・J・パクラ
出演 ハリソン・フォード(トム)
ブラッド・ピット(フランキー)
ルーベン・ブラデス(エドウィン)
マーガレット・コリン(シェイラ)
トレイト・ウィリアムズ(ビリー)/他
フォードとの不仲説が話題となったいわくつきの映画。画面上では、そんな話題とは無縁の心温まる演技が披露されています。テーマは「癒し」のようですが、しかし、この映画もいまいち物足りなさを感じてしまいました。フォードとピットが組んだと言う話題性が先走りしただけで、内容の方は・・・アイルランドのテロリストがアメリカに潜伏したと言うのもなんだかピンとこず、なぜ彼がやすやすとニューヨークに来られたのかも疑問を感じる。フォードも前の「ランダム・ハート」に続いて地味な演技だし、いまいちパッとしない。一方、ピットの方は「カリフォルニア」や「セブン」「12モンキーズ」「ファイトクラブ」などのような特異で狂気じみたキャラクターとは違い、押さえ気味の演技で、なんだかおとなしすぎたような気がします。ピット自身ももしかしたらこの映画に対して大いに不満を感じていたのではと、そんな思いが画面から伝わってくるようです。しかし、タイトルのデビルとは、何を意味しているのだろう・・・。監督のアラン・J・パクラはこの映画公開後、自動車事故で亡くなり、これが最後の監督作品になったそうです。
少年時代にIRAシンパだった父を殺されたフランキーは、自らもIRA闘士の実行隊長となり、イギリス兵、警察を大量に殺し、指名手配される。英国秘密検査局SI5の襲撃により、仲間の大半を失ったフランキーは、ローリーと言う偽名を使い、ニューヨークに潜伏。アイルランド系の警官トムの家に下宿することになった。祖国から来た好青年として家族から温かく迎えられたローリーは、その過酷な人生とはかけ離れた安らぎを与えられる。しかし、彼は、英国軍に対する報復を密かに狙っていた・・・。