フェノミナ

PHANOMENA(1984年/イタリア)

監督 ダリオ・アルジェント

出演 ジェニファー・コネリー(ジェニファー)
   ドナルド・プレゼンス(マクレガー教授)
   ダリア・ニコロビ(ブルックナー)
   パトリック・パーチャー(ルドルフ)
   マリオ・ドナトーン/他


イタリアホラーの巨匠、ダリオ・アルジェントの監督作品。オープニングからいきなり少女の首が切断され滝に流されると言うショッキングなシーンから始まり、終始物憂げで静かにストーリーが展開していく。虫と交信できる能力を持つ主人公の美しい少女・ジェニファーの神秘的な魅力がいい。彼女を演じるのは、当時14歳のジェニファー・コネリー。僕は、かれこれ10年前に初めてこの映画を見たが、彼女がこの時まさか中学生だなんて思いもよらなかった。アルジェントがこの映画に彼女を起用したのは、正解だったと思う。美しい女性と殺人の要素は、ヒッチコックの『サイコ』より以前からあった題材だ。しかしこの映画では彼女と虫達との不思議な関係、そしてそれに衝撃的な殺戮シーンが加わり、過激で凄惨なシーンの連続なのに、彼女の存在が、その無惨さを中和させている。残忍な殺人シーンが美しく華麗に見えてしまうところに、この監督の醍醐味と技とがあり、彼にしか出せない独特の空気と世界を感じさせられる。

この映画がきっかけでこの後、『シャドー』『ゾンビ』(製作)『デモンズ』『インフェルノ』『サスペリア』など、数々の名作を知ることになりました。そして、殺人シーンの見事さと共にファンタスティックなテーマ音楽もかなり印象的です。教授の連れているサルが意外な活躍をするところもこの映画の面白さの一つ。ぜひこれからホラーにはまろうと思う方は、真っ先にこれをお勧めします。


チューリッヒ郊外の田園地帯を通り過ぎていくバスに乗り遅れた一人の女学生。彼女は付近の建物に住む住人に助けを求めに行くが、そこには無気味な音を立て暴れまくる何者かがいる・・・。彼女は、何者かに襲われ、首を切断される・・・。昆虫学者マクレガー教授の研究室を訪ねていた刑事達は、周辺で立て続けに起こる殺人事件と関連すると思われる白骨化した頭蓋骨を彼に調べるよう依頼していた。教授は、頭蓋骨に不気味にたかるウジやハエから、消えた死体と殺人の犯人を割り出そうとしていた・・・。一方その頃、映画俳優の父を持つ女学生、ジェニファーが、チューリッヒに降り立ち、女教師のブルックナーと寄宿学校へ向かっていた。車の中に迷い込んできた蜂と交信するように話しかけるジェニファー。彼女は特異な能力を身につけていたのだ。


 

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