いつかギラギラする日

(1992年松竹)

監督 深作欣二

出演 萩原健一(神崎)
   木村一八(角町)
   荻野目慶子(麻衣)
   千葉真一(柴)
   多岐川裕美(美里)
   石橋蓮司(井村)
   八名信夫
   安岡力也
   樹木希林
   原田芳雄(野地)/他


使用弾丸数37800発、爆破火薬重量11t、総破壊車両数126台と、『西部警察』にも引けを取らない国内超スケールのギャングアクション。ショーケンがとにかくカッコ良い。とくに魚市場での銃撃戦でのハッと振り向いた瞬間の鬼気迫る表情など、瞬間的に垣間見せる表情が凄く良い。この作品が公開された年にショーケンは、テレビドラマで『豆腐屋直次郎の裏の顔』と言う強盗を裏家業とする豆腐屋の親父を演じていたが、この映画に登場する神崎のキャラクターとどこか通じる部分があった。

長年、裏稼業として強盗をやり続けてきた3人の親父達に、突如強盗ネタを持って接近する若者・角町。角町の口車に乗せられて、3人は、現金輸送車を襲撃するが、2億積まれていると思われていた現金が5000万しかなく、4人のショックは計り知れない。借金を抱える井村が現金を独り占めしようと、他の3人に銃を向けた事をきっかけに、角町が暴走。角町は、井村と柴を撃ち、現金を奪って決死の逃避行を開始する。柴を裏切り、角町と共に狂犬の如く、暴れ回る麻衣の小悪魔的な魅力や、派手に機関銃を撃ちまくるエネルギッシュな角町も魅力的だ。暴走する角町と麻衣、仲間の弔い合戦を始める神埼、角町の現金を狙うヤクザと殺し屋、そして、強盗事件を追う警察…5000万円を巡って4つ巴の熱い戦いが北海道・函館の地で容赦なく展開する。

この映画の見所は、なんと言っても邦画では、珍しくダイナミックに描かれるカーアクションと爆破。洋風のレストランの廃墟が瞬く間に破壊され、その爆煙を浴びながら廃墟のそばを横切る赤いトランザムの映像が圧巻。撮影で使用されたトランザムは、当時1台380万円する新車を2台購入し、2台とも見事に劇中で破壊したそうです。魚市場で展開する迫力の銃撃戦では、バイクを降りた角町が神崎にウージーを乱射する時のカメラアングルが凄くカッコ良い。角町たちが乗るトランザムと神崎が乗る4WDのテラノのカーチェイスに加え、ジャックされた修学旅行生が乗る観光バスと、パトカーをも巻き込み、クライマックスに向けてどんどんエキサイトして行くカーアクションと銃撃戦が痛快でスリリングで最高だ。日本で製作された本格的なカーアクション映画は、今のところこの作品が最後。


神崎、柴、井村は、ロックハウスを経営する角町から話しを持ちかけられ、ホテルの2億円の売上金強奪計画を実行する。しかし、襲った現金輸送車には、5000万円しか入っておらず、角町は、井村を射殺して、現金独り占めして逃亡する。角町は、柴の恋人だった麻衣と共に新しい店をオープンさせようとする。一方、神崎は、金を取り戻すため、ヤクザと警察を巻き込んで、角町に報復を始める。


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