パッション

THE PASSION OF THE CHRIST (2004年/アメリカ・イタリア)

監督 メル・ギブソン

出演 ジェームズ・カヴィーゼル(ナザレのイエス)
   モニカ・ベルッチ(マグダラのマリア)
   マヤ・モルゲンステルン(マリヤ)
   ルカ・リオネッロ(イスカリオテのユダ)
   フランチェスコ・デ・ビート(ペトロ)/他


イエス・キリストの最後の12時間を克明に描いた凄惨極まりない場面がドキュメンタリーかのごとく、延々と続くこの映画。旧約聖書で予言されていたとは言え、刃のついた鞭を打たれ傷ついていくイエスを見るのは、辛い。それが終わると、今度は、処刑場があるゴルゴタの丘の険しく長い階段を十字架を背負いながら、瀕死の状態で歩かされる。何度も倒れながら立ち上がり、歩き続けるイエス。

宗教や聖書など全く興味はないのですが、ただ、映像からは、万人が感じる痛みや怒り、苦しみや悲しみがひしひしと伝わってくる。それさえ感じる事ができれば、十分だと思った。

それにしても、キリストを演じたジム・カヴィーゼルが凄い。この目では、見た事はないが、あたかもキリストが乗り移っているような、危機迫る迫真の演技を見るだけでも非常に見応えのある作品だ。

アクション映画に出ていたメル・ギブソンを見ていた頃は、まさか、後に彼がこのような作品を作り上げるなんて事は、想像もできなかったなぁ。もう少し若ければ、自分でイエスを演じるつもりだったのでしょうか?・・・。自分の私財まで投げ打ってこの映画を完成させた彼のパッション(情熱)は、確かに伝わってくる。


イエスは、弟子の裏切りにより、捕らわれの身となった。裁判で自らを救世主だと訴えるイエスに対し、ローマ提督ピラトは、彼を十字架にかけることを決める。鞭を打たれ、傷だらけの体で十字架を背負わされたイエスは、処刑場のあるゴルゴダの丘を歩きながらも、人々のために祈り続ける。


 

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