トータル・リコール
TOTAL RECALL (1990年/アメリカ)
監督 ポール・ヴァーホーベン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー(ダグ・クエイド)
シャロン・ストーン(ローリー)
ロニー・コックス(コーヘイゲン)
マイケル・アイアンサイド(リクター)
マイケル・チャンピオン(ヘルム)
アン・ロックハート /他
ポール・ヴァーホーベン監督の描く世界は、リアルな殺人描写、また登場する女性がたくましく描かれているのが特徴です。
『ブレード・ランナー』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など、これまで様々な形の未来世界が描かれて来ましたが、この映画もまた独特でユーモラスな未来映像が楽しめます。この映画のイメージを印象付けたシーンに、火星に着いたダグが被っていた変装用のマスクがあります。頭から顔が真っ二つに割れて、ダグの顔が現われる。確かにユニークで面白い場面なんですが、あっさり変装が見破られているのはちょっと考え物です。それと、彼が脳の中に埋め込まれたカプセル状の発信器を取り出すシーン。鼻の奥にあんなでかいものがあるというだけで見ているほうも、思わず痛そうな顔つきになってしまう。また地球で走っていたロボットタクシーも面白い。ダグが敵に殺されそうになりタクシーに逃げ込んで、ロボットを引きちぎって自分で運転して逃走するシーンがありますが、笑えるのは、ダグが、料金を請求したロボットを無視してタクシーから降りると、ロボットがショートして車がダグに向かって暴走するシーン。もし未来のタクシーがああだったら、恐ろしい・・・。
主人公が生きている世界は夢か現実か・・・。これがもっともこの映画の見方を左右する大きなポイントですが、ダグがリコールマシーンにかかった後の世界がすべてリコールマシーンの作った夢の世界だったとしても全て説明がつくからややこしい。火星での出来事が全て解決したダグとメリーナが火山をバックにキスを交わすエンディングの後に、ダグがリコールマシーンに乗り、夢から覚めたシーンを加えれば、映画は、丸々夢の世界だったと言う落ちで終わることもできる。全てを見る側の受け取り方に任せたバーホーベンの意図もわかる気はするが、はっきり白黒つけてくれても良かった気がするのですが・・・。しかし、この映画と「シックス・デイ」は、どことなくよく似ていると感じてしまうのは、なぜだろう・・・。
マイケル・チャンピオンや、アン・ロックハートなど、『ナイトライダー』のゲストスター達も多数出演しています。
西暦2084年、地球の植民地となった火星は、宇宙船建造に欠かせない鉱石(タービニウム)の採掘の場と化していた。ダグ・クエイドは、火星に魅せられていた。彼はある日、リコール社を訪れ、夢の世界を実体験と同じように記憶を植え付けることのできる「リコール・マシーン」を使い、彼は秘密諜報員で、美しい女性と極秘任務で火星に行き、悪と戦うと言うプランで旅をすることになった。しかし夢旅行は失敗し、ダグの脳からかつて彼が火星にいたという記憶が消されていたことが判明する・・・。
ダグは、家に戻る帰りに、会社の同僚のアーリー達に命を狙われる。難を逃れ家に戻ったダグは、妻のローリーに事情を説明するが・・・。