マイアミバイス
MIAMI VICE(2006年/アメリカ)
監督 マイケル・マン
出演 コリン・ファレル(ソニー・クロケット)
ジェイミー・フォックス(リカルド・タブス)
コン・リー(イザベラ)
ナオミ・ハリス(トルーディ・ジョプリン)
バリー・シャバカ・ヘンリー (マーティン・カステロ)/他
1980年代にヒットしたアメリカのテレビシリーズ『マイアミバイス』が劇場映画として20年ぶりにリメイク。監督は、テレビシリーズを制作したマイケル・マン。1987年の秋から日本でもテレビ放映されていましたが、当時、うちのテレビは、テレビ東京系列のテレビ大阪が映らなかったので、リアルタイムで見る事はできず、まだ、日本で放送されたエピソードを全部見ていません。その上で、今回の映画の感想を述べます。
テレビシリーズは、ドン・ジョンソン演じるソニーとフィリップ・M・トーマス演じるタブスのファッション、軽妙なセリフのやりとり、捜査におけるコンビネーションなどがカッコ良く、二人を中心に他のバイスのメンバーも魅力的に描かれていた。しかし、この映画のバイスのメンバーは、確かに魅力的な役者さん達が演じているのだが、テレビシリーズのバイスのメンバーよりもいまいち魅力的に見えない。ソニーとタブスの会話も少なく、あまり仲が良いようには見えなかったのが残念だ。できれば、もっと軽いフットワークで冗談でも囁きながら、捜査を進めて欲しかった。
潜入作戦では、ソニーがコン・リー演じる敵方の女イザベラとラブシーンを繰り広げたり、一方、タブスもバイスのメンバーのトルーディと恋仲になっていたり、ラブ・ロマンスの展開が多かったのが気になった。テレビシリーズでも確かに後期シーズンでソニーがシーナ・イーストン演じる歌手の女と付き合うようになっていたと思うが、今回の映画では、これほど強く描かれているとは、思っていなかったので、ちょっと以外だった。アクションシーンは、全体的に地味だったが、銃撃戦は、『ヒート』を彷彿させるがごとく派手な演出で、迫力があった。生々しく飛び散る弾丸、発砲音も凄く良い。とくに冒頭で組織の車の車内に撃ちこまれる弾丸の様子がリアルに映し出されている場面は、見応えがあった。さりげなくあっけなく終わるラストもこの作品らしい終わり方と言えば、確かにそう見えるかもしれないが、もう少し、印象的なシーンで終わって欲しかった。
マイケル・マンは、『コラテラル』の時にも使ったHDカメラを使って今回の映画も撮影したそうで、テレビシリーズのようなコントラストは、感じられず、ビデオ画質に近い薄い映像だったのが、残念だ。テレビシリーズでもよく二人がマイアミの街から飛び出して、大掛かりな潜入作戦を展開していたが、今回の映画もコロンビアやハバナやらで展開するのですが、少々外に飛び出し過ぎのような。できれば、マイアミの街の中でもっと話を展開させて欲しかった。
FBIなどのアメリカ合衆国司法機関が行なっていた合同捜査の極秘情報がドラッグの密輸コネクションに漏洩し、捜査関係者の命が危険に晒される。マイアミ警察の特捜課刑事ソニー・クロケットとリカルド・タブスは、その情報の漏洩ルートを突き止めるべく、北米のドラッグ・ディーラーになりすまし、南米の危険地帯に乗り込む。