ミシェル・ヴァイヨン
MICHEL VAILLANT(2003年/フランス)
監督 ルイ=パルスル・クブレア
出演 サガモール・ステヴナン(ミシェル・ヴァイヨン) |
『TAXi』シリーズや『ル・ブレ』など、最近のヨーロッパのカーアクション映画のレベルの高さには、驚かされるばかりですが、この作品もいかにもヨーロッパ的な「静」と「動」のしっとりとしたバランス感覚のある映像で楽しませてくれます。ヨーロッパで45年も続いている人気コミックをリュック・ベッソンの脚本で映画化と言う事で、内容は、多少なりとも荒唐無稽さが目立ちますが、個人的には、さほどストーリーは、気にはなりませんでした。ハリウッドで言えば、シルベスター・スタローンの『ドリヴン』を彷彿とさせられますが、映像的には、こちらのほうが遥かにセンスを感じました。やはり、レースシーンは、実際のレースに参加して撮影されているだけあって、中々迫力があります。亀裂がほとばしる雪上を走るマシーンの走行シーンや、レース中のマシーンのクラッシュシーンなど、逸脱な場面も多い。単調さもあるが、終始静かに進んでいくストーリーと、激しいカーアクションの相互作用で、高鳴るマシーンのエンジンを聞くたびに、高揚感がほとばしりました。
後半は、ル・マン24時間耐久レースに参加する人間達の群像を軸に、主人公達のチームに次々と敵チームの妨害工作が仕掛けられるですが、その辺は、少し中途半端さが歪めず、なんとも心地良くない。ラストは、いかにも映画的な展開で、それは、ちょっと…な感じもありましたが・・・。
レーシング・チーム『ヴァイヨン』のカーレーサーのミシェル・ヴァイヨンは、カナダのノーザン・ディグリー・ラリーを制覇し、次にル・マンに出場することになった。ドライバーにデイビッドが選ばれるが、アイスランド・ラリーで、デイビッドのマシンが走行中に川に転落し、彼は、死んでしまう。デイビッドの妻ジュリーは、ドライバーに志願し、ミシェルに特訓を受けることになる。