ル・ブレ
LE BOULET(2002年/フランス)
監督 アラン・ベルベリアン/フレデリック・フォレスティア
出演 ジェラール・ランヴァン(モルテス)
ブノア・ポールブルード(フランシス・レジオ)
ロッシ・デ・パルマ(ポーリーヌ)
ジョセ・ガルシア(トルコ)
ゲイリー・ティップレディ(メル)/他
『TAXi』以降、フランス映画は、コミカルなカーアクションムービー作りにタフになった。パリからサハラ砂漠へ向かっての1万キロの旅をすると言う、『キャノンボール』シリーズをも彷彿させるハチャメチャな展開ぶりは、ハリウッドに負けていない。ハリウッドテイストを加味しつつも、どこかフランスらしい笑いの気風が漂っているところが良い。キャラクター達も中々際立っていた。モルテスとレジオの凸凹コンビは、どこか『ナイトライダー6/激闘!善と悪2台のナイト2000!』のトニーとレブのようにも見えましたが、この二人の場合は、看守と囚人と言う立場なのに、それを忘れさせるようなクールなセリフの掛け合いややりとりが、笑えます。007シリーズで、リチャード・キールが演じていたジョーズを完全模写した巨漢の男メル。映像を見る限り、確かに良く似ている。殺し屋トルコのイカれっぷりも良かった。
シャンゼリゼ通りの大激走シーンは、世界最強スタントチーム『シネ・カスケイド』によるもので、『TAXi』にも登場したプジョー406クーペが大活躍していますが、観覧車の骨組みを突き破る大ジャンプや、コンコルド広場を転がる観覧車には、大爆笑。『TAXi』とは、また一味違ったカーアクションも楽しめる。この映画には、他にもフィアット・パンダや、シトロエンAX他、主人公達が、ダカール・ラリーに参加する場面では、元F1ドライバーがパリダカで使用した本物のシュレッサーバギーなども登場していて、その豪華な車の激走を見るだけでもとても楽しめる。アクションシーンには、最近流行りのワイヤーや、CGがふんだんに使われていますが、しかし、ここまでお馬鹿に徹してくれるなら、それもあっさり許せてしまう。
しかし、『ありふれた事件』でえげつない凶悪殺人犯を演じていたベルギー出身の俳優ブノア・ポールブルードがレジオを演じていたのは、驚いた。今は、コメディ俳優やってたんですね。
フランスを震撼させた大悪党、モルテスは、仲間の裏切りにより刑務所に入れられる。服役中、モルテスは、知り合いになった看守のレジオに頼んで一等賞金1500万ユーロの宝くじを買ってもらうが、なんとそれが大当たり。ところが、その当たり券を持っていたレジオの妻、ポーリーヌがアフリカへ行ってしまった。モルテスは、宝くじを奪い返すため、レジオと共に刑務所を脱獄する・・・。