スパイダーマン

SPIDER MAN(2002年/アメリカ)

監督 サム・ライミ

出演 トミー・マグワイア(ピーター=スパイダーマン)
   キルステン・ダンスト(メリー)
   ウィレム・デフォー(ノーマン)
   ジェームズ・ブランコ(ハリー)
   J・K・シモンズ(ジョナー)/他


『スーパーマン』『バットマン』『スポーン』『デアデビル』など、近頃アメコミ作品が次々と映画化され続け、一種のブームになっていますが、中でもこの老舗のヒーローは、他のヒーローよりもなぜか特出した魅力を感じる。その要因の一つは、今回の監督が『死霊のはらわた』や『ダークマン』など、独特の編集技術とスピーディなアクションが御得意のサム・ライミであること。期待していた通りの面白さになっていました。

『スパイダーマン』と言えば、アメリカでは、何度か映画化されているのですが、実は、日本でも20年チョイ前に特撮ものとして放送された経歴があります。その時、初めてこのヒーローの事を知ったのですが、こちらの方は、専用マシーンや巨大戦闘ロボットなどが登場し、日本の特撮ものらしいオリジナリティを醸し出していました。サム・ライミ版では、ホラー出身の監督らしく、少しグロテスクなシーンもあるのかと思っていましたが、考えてみたら、こんな純粋なヒーローものにそんなシーンは、不要でした。だけど、そのせいで、サム・ライミの個性が十分に発揮されていなかったのでは?と言う疑問も持ちました。

「イメージ・ワークス」の華麗なVFX技術によって、摩天楼の空を縦横無尽に飛び回るスパイダーマンが見事に描き出されていたのが素晴らしい。ニューヨークの街を、まるで、ターザンがジャングルの中を蔦で飛び回るように、スパイダーマンがひょいひょいとビルの合間を飛び跳ねていく姿は、愉快で壮快感抜群。純朴な青年ピーターを演じるトミー・マグワイアは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックスの面影も見え、存在感も光っていた。それから、スパイダーマンの敵役となったゲリーン・ゴブリンを演じているのは、『今、そこにある危機』や『スピード2』でも類まれな凶悪犯を演じていたウィレム・デフォー。しかし、彼が日本の特撮物の怪獣のようなゴブリンをやるとは、なんとも意外。鏡の前での人格を使い分けた演技は、中々迫力があり、見応えがありました。

ピーターが自分に特別な能力が身についている事に気づき、街のビルの屋上から屋上へと無邪気に飛び回っているシーンは、思わず『マトリックス』の一場面を彷彿させますが、一番逸脱だったのは、火災の起きたマンションの中でのスパイダーマンとゴブリンとの戦いの場面。炎の中で、スパイダーマンがゴブリンの攻撃を体を捻りながら避ける姿がとても美しかった。

『スパイダーマン2』は、2004年に公開予定のようですが、主役のトミー・マグワイアは、降板との噂もある。果たして、次回は、どんな展開になるのやら・・・。


幼い頃に両親を無くし、伯父夫婦に育てられたピーターは、カレッジへの進学に向けて、勉学に励んでいた。幼馴染みのメリーに想いを寄せるるピーターだが、中々自分の心を打ち明けることができない。そんな時、ピーターは、唯一の親友ハリーの父親で、軍需企業「オズコーブ」社の社長でもあるノーマンと出会う。ピーターの科学の才能を知ったノーマンは、息子以上に彼を親愛するようになる。そんな時、課外授業で遺伝子の組み替えにより誕生したスーパースパイダーを見学にしに行ったピーターは、外に逃げ出したその蜘蛛に刺されてしまう・・・。


 

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