ダークマン

DARKMAN(1990年アメリカ)

監督 サム・ライミ

出演 リーアム・ニーソン(ペイトン・ウエストレイク)
   フランシス・マクドーマンド(ジュリー)
   ラリー・ドレイク(ロバート・G・デュラン)
   コリン・フリールズ(ルイス)
   ニコラス・ウォルス(ポーリー)/他


2000年代以降、デアデビルなど、数多くのアメリカンヒーローが登場し、すっかり時代の影に隠れしてしまったダークマン。見た目は、ミイラかオペラ座の怪人みたいな風貌でとっつきにくい感じですが、90年代を代表するもっとも悲劇的なダークヒーローです。最近は、『スパイダーマン』のリメイクで有名なサム・ライミ監督の隠れた傑作です。この頃、サム・ライミ監督と言えばホラー監督と言うイメージがまだ強かったのですが、この作品でパワフルなアクション映画も作れるだということを実感しました。ストーリー展開のテンポの良さとスピーディーなアクションが痛快です。焼け爛れてしまった自分の姿を恋人に見せられず苦悩する主人公の姿が哀れなのですが、それを吹っ飛ばすコミカルな演出力が抜群かつ陽と闇のバランスが絶妙です。

恋人のトラブルに巻き込まれて、研究室で残虐なリンチを受け、爆弾もろとも吹き飛ばされてしまい、爆発で全身の40%に火傷を負ってしまった科学者ペイトンは、視床下部の損傷により、痛みを感じず、手術によって失った感覚が副作用を起こして、アドレナリンの分泌により常人の6倍のパワーを持ち、自分で開発した人工皮膚でいろんな人物に変装して、自分を襲ったギャング集団に復讐を遂げる。しかし、その人工皮膚の再生能力は、わずか99分。クライマックスの廃工場のシーンからヘリのロープにぶらさがり、巨大なビル群の隙間を潜り抜けるシーン、そして、工事現場での格闘シーンと一連のアクションシーンは、迫力満点。

最近は、『バットマン・ビキンズ』のデュカードや『スター・ウォーズ EPISORD1』のクワイ・ガン・ジン役などで有名なリーアム・ニーソンがダークマンを演じているところも面白い。『ダーティハリー5』では、異常な殺人鬼の役で存在感を残したが、90年代以降の活躍を考えると、この作品で一気にスターダムにのし上がったと言っても過言ではないでしょう。『ブルース・ブラザーズ』などの監督のジョン・ランディスもゲスト出演。また、『死霊のはらわた』などのライミのホラー映画の常連だったブルース・キャンベルがひょっこり顔を出しているのも憎い演出である。『ナイトライダー』のジャガーノートのエピソードにも出ていたニコラス・ウォルスも出演しています。


科学者ペイトンは、恋人で弁護士のジュリーが手掛けた賄賂事件に巻き込まれ、ギャング集団に研究所を爆破されてしまう。奇跡的に命を取り留めるが、火傷のため人目にさらけ出せない顔になってしまった。恋人に再会することもできなくなったペイトンは、手術で神経を切られ、痛みを感じず、怒りによって超人的な力を持ち、未完成の人工皮膚を駆使して他人に変身する。ここに黒マントに身を包んだ闇のヒーロー「ダークマン」が誕生する。


 

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