デッド・フォール

TANGO&CASH(1989年/アメリカ)

監督 アンドレイ・コンチャロフスキー

出演 シルベスター・スタローン(レイ・タンゴ)
   カート・ラッセル(エイブ・キャッシュ)
   テリー・ハッチャー(キキ)
   ジャック・パランス(イブ・ペレ)
   ブライオン・ジェームズ(レカン)
   ジェフリー・ルイス(シュローダー)/他


この映画が劇場で公開されていた当時は、メル・ギブソンとダニー・クローバーの『リーサル・ウェポン』シリーズや、日本でも『あぶない刑事』シリーズなど、軽くておしゃれなジョークを交わす二人組の刑事アクションムービーが流行っていました。『ロッキー』や『ランボー』シリーズが一段落し、次の方向を探っていたシルベスター・スタローンと、『ゴーストハンターズ』『バック・ドラフト』『ブレーキダウン』など、アクションスターとしても活躍していたカート・ラッセルと言うちょっと珍しい組み合わせの痛快刑事アクションです。

この映画、まずなんと言っても全編音楽のノリとテンポ良く進むストーリー展開が良い。スタローンの掛け声から始まるカッコイイオープニングからタンクローリーを追跡するタンゴ、強盗に襲われたキャッシュが地下駐車場で暴走カーチェイスを繰り広げた後、敵の罠にはまり、殺人容疑者に仕立てられた二人が刑務所送り込まれ、今度は、仲間の力を借りて二人が刑務所を脱出するところまでの展開が実にスピーディーかつエキサイティングに描かれ、BGMの相乗効果もあって、とても爽快な気分にさせてくれる。この作品が製作された年に、スタローンは、『ロックアップ』と言う映画でも、刑務所を扱ったテーマのアクションものに出演していたのですが、刑務所の脱獄シーンは、妙にその映画のシーンと重なってしまう。二人を何度も殺すチャンスがあったのに殺そうとない組織の間抜けっぷりに多少の違和感はあるものの、二人のユニークな掛け合いや行動が面白いので全て許せてしまえる。できれば、続編かテレビシリーズでも製作して欲しかったところです。

物語の後半は、前半と打って変わり、キャッシュの親友の科学者オーウェンが『007』のボンドカーのようなニトロオキシード(急加速装置?)、120mmガトリング砲を装備した4WDの装甲車を二人に提供する。マシーンに乗った二人が敵のアジトに乗り込んで大暴れするのだが、マシーンは、ひたすら敵の攻撃を受けて、猛烈に燃え上がるだけで、いまいちその能力を存分に発揮しなかったのが残念なところ。『キャノンボール2』『ナイトライダー』(第31回「爆走デビル・トラック!必殺クラッシュ!巨大タイヤの恐怖」)にも登場していたモンスタートラックとの激戦も拝みたかった。監督は、アンドレイ・コンチャロフスキーと言うソビエト(製作当時)の監督なんですが、『暴走機関車』を作った人とは思えないくらいです。

タンゴとキャッシュのセリフの掛け合いを楽しむなら、日本語吹替えの方が面白いです。テレビ版では、『ナイトライダー』のマイケルの声でも御馴染みの佐々木功氏がスタローン、カート・ラッセルは、『特攻野郎Aチーム』のフェイスマンの声でも有名な安原義人さん、DVD/ビデオのほうは、スタローン=玄田哲章氏、カート・ラッセル=安原義人氏が担当されていますが、テレビ版のほうは、セリフの表現が少々押さえ気味になっています。個人的には、DVD/ビデオ版の吹替えをお勧めいたします。

ロサンゼルス市警の刑事レイ・タンゴとゲイブ・キャッシユ。検挙率を競い合い、活躍する対照的な二人を嫌う犯罪シンジケートのボス、ペレは、巧妙な作戦を企て、二人を殺人事件の容疑者に仕立てあげる。二人は、裁判で有罪となり、自分達が逮捕した凶悪犯達のいる刑務所に送り込まれてしまう・・・。


 

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