トリプルX

XXX(2002年/アメリカ)

監督 ロブ・コーエン

出演 ヴィン・ディーゼル(ザンダー・ケイジ)
   アーシア・アルジェント(エレーナ)
   サミュエル・L・ジャクション(アウグスト・キボンズ)
   マートン・チョーカシュ(ヨーギ)
   マイケル・ルーフ(トビー・リー・シェーバース)/他


『ワイルド・スピード』のロブ・コーエンとヴィン・ディーゼルが再びコンビを組んだ新時代スパイアクション。オープニングで黒いスーツを身につけた『007』張りのエージェントがあっさりと殺され、最新型の赤いコルベットは、スタントの道具にされ、あっさりと破壊し、これまでのスパイ映画を真っ向から否定している。エクスストリーム・スポーツの秀才のスキンへッド男ザンダー・ケイジがエージェントとして活動しちゃうところは、一見、違和感もあり、劇中、エレーナが爆笑していたのと同様に、僕も思わず笑ってしまったけど、映画が終わった瞬間、21世紀の『007』は、こいつに違いないと確信し、熱いものを感じてしまいました。

ザンダーが何度も麻酔弾に打たれて、どんどん戦闘の中に送り込まれていく冒頭のシーンは、中々ユニークだった。独特の臭覚でザンダーをエージェントに抜擢したNSAのアウグスト・キボンズ役のサミュエル・L・ジャクションの存在感も逸脱でした。潜伏したテロリスト・ヨーギの愛人エレーナを『フェノミナ』などのホラーの巨匠・ダリオ・アルジェントの娘アーシアが演じているのも興味深い。

もちろん、スパイ映画の最骨頂、『007』を彷彿させるアクションシーンも沢山ある。『007』なら『Q』の役割を果たすのがマイケル・ルーフ演じるトビーは、麻酔弾、爆破弾などなど様々な武器を作り、車も改造してしまう。バイクチェイスやスキーチェイスは、『007』シリーズにも数多く存在していますが、新時代のヒーロー、ザンダーに特殊なキャラクター設定を与えた事によって、『007』以上によりエネルギッシュな、多彩なアクションシーンが展開する。バイクをスノーボードをやっているかのように見立てて、爆風や飛び交う銃弾の中を縦横無尽に飛び駆け回る華麗なバイクチェイス・シーンや、スカイ・ダイビングで険しい雪山に降り立ったザンダーが、お得意のスノーボードで断崖絶壁の雪の上を滑り落ちていくシーンは、迫力満点!さらに、監視を振り切るため、爆弾で雪崩を起こし、流れ落ちてくる雪に飲み込まれる寸前のところを勢いよく駆け抜けているシーンは、痛快です!


過激なスタントに挑んでは、自分の姿を映したビデオをネットで高く売りさばいているエクスストリーム・スポーツの天才ザンダー・ケイジは、ある夜、突然踏み込んできた警察に拉致され、知らず知らずのうちにスパイ養成の秘密訓練に参加させられてしまう。見事、訓練に合格したザンダーは、NSAが追っている「アナーキー99」と呼ばれるテロリスト・グループに潜入するため、チェコに向かう。


 

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