ドーン・オブ・ザ・デッド

DAWN OF THE DEAD(2004年/アメリカ)

監督 ザック・スナイダー 

出演 サラ・ポーリー(アナ)
   ヴィング・レイムス(ケネス)
   ジェイク・ウェバー(マイケル)
   メキー・ファイファー(アンドレ)
   マイケル・ケリー(CJ)
   ケン・フォーリー/他


世界を震撼させたゾンビ映画の金字塔『ゾンビ−ドーン・オブ・ザ・デッド』から25年、再想定と言う形で再び「ゾンビ」が復活した。ジョージ・A・ロメロが作り出したゾンビは、思考能力を削がれたぼうふらのような人間達が力なくのろのろと街を徘徊し、ひたすら生きた人間を食い殺す。少し弱々しい感じもしますが、人間の肉をむさぼり食う姿を最初に見た時は、ショッキングで、その時のインパクトが今でも脳裏に焼き付いて離れない。だが、今回のゾンビの特徴は、とにかく生きている人間に気づいた途端、走るわ、走るわ、食い殺すまでひたすら走り続ける。その驚異的な映像に度肝を抜かされました。「走るゾンビ」と言えば、『デモンズ』や『バタリアン』などの映画を思い出しますが、新作は、『28日後...』と相通ずるところもありますが、カメラのシャッタースピードを上げ、よりスピーディなカメラワークと演出で恐怖をより煽り立てていて、斬新でした。

内容は、大まかな部分では、前作「ゾンビ」の設定を受け継いでいるが、新作は、冒頭から行き着く暇もなくスピーディな展開。近所の子供に夫を噛み殺され、ゾンビ化した夫に襲われる主人公のアナがモールに行き着くまで、あっという間。近代化したモールの中で繰り広げられる様々な人間ドラマ。とくに、警察官のケネスと自分が経営する銃砲店に一人取り残されてしまったアンディの交流は、旧作にはなかった、新しいシチュエーションでとても印象に残りました。生まれたての赤ん坊のゾンビ化や、マッチカットを使って、ゾンビがトラックに轢かれる様子を克明に描いているところなど新しい演出も見受けられる。また、旧作で主演を務めたケン・フォーリーやスコット・H・ラインガーが劇中のニュース映像にゲスト出演しているところも面白い。前作ほどカニバリズムや刺激的なシーンはないものの(DVDのディレクターズカット版には、その点が補填されている)、最後まで失踪感溢れる展開で、一時も目が離せない。

劇場公開時にカットされたグロテスクな場面(主にゾンビの頭部の破壊シーン)は、DVDディレクターズカット・プレミアム・エディションに付け加えられているので、それらを含め改めて見ると、さらに面白さが際立っていました。しかし、本当に腕や脚が欠損した人達にゾンビを演じさせているところが、今回の監督の凄いところ。他にもDVDには、未公開映像や世界にゾンビが蔓延して行く様子を刻々と伝えるドキュメントタッチのニュース番組、アンディがゾンビ化するまでを綴ったビデオテープなどの特典映像もあり、それらを合わせて見ると、さらに今回のゾンビ映画の世界観が広がり、楽しめます。


看護婦のアナは、仕事を終え、愛する夫のルイスが待つ自宅へ戻る。翌朝、二人のいる寝室に隣に住む少女のヴィヴィアンが表われ、突然、ルイスに襲い掛かった。首を噛み付かれたルイスは、生き絶えるが、瞬時に息を吹き返し、アナに襲い掛かった。アナは、パニックに陥りながらも外に脱出するが、彼女は、そこで地獄と化した街の恐ろしい光景を目の当たりにする…。


 

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