28日後...
28 DAYS LATER...(2002年/イギリス・アメリカ・オランダ)
監督 ダニー・ボイル
出演 キリアン・マーフィ(ジム)
ナオミ・ハリス(セリーナ)
ミーガン・バーンズ(ハンナ)
ブレンダン・グリーソン(フランク)
クリストファー・エクルストン(ヘンリー少佐)/他
『バイオ・ハザード』などで、再びゾンビ系映画が注目を集め出している昨今、この『28日後...』もまた、ゾンビ系映画の新機軸を生み出したと言っても過言ではない秀作です。ただ、この映画の中で描かれるゾンビは、既存のゾンビ映画で見られるような映像的な恐怖感は、それほど感じられず、むしろ、世界の終末に焦燥と狂気する人間達のほうが遥かに怖い感じがした。
しかしながら、スーパーマーケットのシーンは、『ゾンビ−ドーン・オブ・ザ・デッド』のオマージュにも見えるし、ウィルスに感染した人間達の描写もどことなくそれを意識しているように見える。恐怖感を生み出す演出か、監督の癖なのかは、知らないが、ゾンビが人間達に襲いかかってくる場面だけカメラのシャッター・スピードを上げて、ゾンビのアップ目の瞬間を映し出しているのだが、画面がブレ過ぎて、いまいちな印象を受けた。走るゾンビと言えば、リメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』も話題になっているが、この作品よりも『バタリアン』のほうが怖かったりする。生き残った軍兵達の姿を見ていると、昨今のイラク戦争のアメリカ兵の虐待問題を連想する。赤いドレスを着たセリーナ達が屋敷の中を駆け回るクライマックスシーンが『ドラキュラ』映画などの怪奇性とファンタスティックな要素を生み出していて、面白い描写だった。ホラー映画を語る上で欠かせない要素の一つである音楽も心に響くものでした。
ラストは、ホラー映画らしくない心地良さがあったが、この映画には、二種類のラストシーンがあって、劇場で公開されたものとDVDに収録されたものとは、違うらしいです。個人的には、DVD版のほうがしっくりいく。
交通事故に巻き込まれたメッセンジャーのジムは、病院に運ばれ、目を覚ました時、周りには、誰もいなかった。1敵の血液を浴びると、20秒で人間の精神を破壊する新種のウイルスの発生により、全世界の人類が滅亡しようとしていた。ジムは、襲い掛かってくる感染者達から逃れ、やがて、セリーナ達と出会う。