GONIN

（１９９５年／ぶんか社・イメージファクトリー・アイエム）

日本のバイオレンス・アクション映画といえば、『十階のモスキート』や、松田優作の『蘇る金狼』、ビートたけしの『その男、凶暴につき』、そして同じ奥山和行が製作した『いつかギラギラする日』などを思い出しますが、この映画の場合、、確かに出演しているメンバー陣は豪華で、どの役者も引けを取らないくらい魅力的だが、これだけのメンバーを集めたにもかかわらず、バイオレンス映画としてはやや面白味に欠けていたような。たとえば見せ所のアクションなんかもなんだか拍子抜けで、役者さん達の演技それぞれに、印象的なシーンはあるけど、なんだかそれらが全て空回りしているように見え、それに物語もいまいち単調すぎて、物足りない気がしました。ビートたけしの殺し屋は、確かに少し怖いものを感じた。しかしやくざから金を奪って逃避行を始めた男達をあんなにも簡単に見つけて、見境なしバンバン銃で撃ち殺すだけで終わってしまっているのが残念だ。バイオレンス映画だからこれでよいと言う人もいるだろうが、ただ社会の残酷さを売りに映画を作るのではなく、少なからずの希望とメッセージを伝えるシーンがあっても良かったのではと個人的には思います。

バブル経済の崩壊で行き場を失ってしまった五人の男達。彼らは集結し、暴力団の事務所から現金を奪う計画を建て、それを実行する。しかし怒り狂った暴力団は、殺し屋を使い、彼らに報復を始める・・・。