ゼイリブ
THEY LIVE(1988年/アメリカ)
監督 ジョン・カーペンター
出演 ロディ・パイパー(ネイダ)
キース・デビッド(フランク)
メグ・フォスター(ホリー)
ジョージ・“バック”・フラワー
ピーター・ジャクソン(ギルバート)
レイモンド・サン・ジャック/他
『ハロウィン』『遊星からの物体X』『クリスティーン』『フィラデルフィア・エクスペリメント』『光る眼』など、独創性溢れるSF作品を生み出すジョン・カーペンターの傑作。知らない間に人間社会に住み着く得体の知れないエイリアン達。壮大なスケールで消費社会を皮肉るパンチの効いた映画です。
特殊なサングラスを通して見えるモノクロのロサンゼルスの街の不気味さの演出は、絶品。街のありとあらゆる看板や雑誌に書かれている「服従せよ」「消費せよ」のサブリミナルメッセージで知らず知らずのうちに暗示をかけられ支配されている人間達の滑稽さが楽しい。ピザのような顔をしたエイリアンの顔は、最初見た時は、『V』のトカゲより不気味さを感じた。
そんな不気味な演出の中でも笑える場面もたくさんあった。拉致した女性の家に潜り込んだネイダが女性に2Fのベランダから見事に突き落とされる場面。サングラスをめぐり対立するネイダとフランクの壮絶な殴り合いのシーン。少々冗長だが、プロレス技も飛び出して、面白かった。当時現役レスラーだったロディ・パイパーの格闘だけに迫力もある。
SFアクションとしては、銃撃戦も控えめで、抵抗運動と言ってもこれと言った抵抗せず、いまいち迫力に欠けるが、結末に至るまでのストーリー展開は、刺激的で強烈だった。
ロサンゼルスで仕事を探していた失業中のネイダは、ドヤ街で建設現場での仕事を見つけ、仕事先で知り合ったフランクの案内で、失業労働者キャンプの仲間に入る。ある日、武装警官に襲撃された近所の教会に置かれていたサングラスをかけたネイダは、不思議な光景を目の当たりにする。サングラスに映し出されたのは、街のいたるところの広告や雑誌に書かれた奇妙なスローガンと人間社会に密かにはびこる宇宙人の姿だった。現実を知ったネイダは、武器を取り、エイリアンに立ち向かう…。
<協力:のぶにいさん>