クリスティーン

CHRISTINE1983年/アメリカ)

監督 ジョン・カーペンター

出演 キース・ゴードン(アーニー)
   ジョン・ストックウェル(デニス)
   アレクサンドラ・ポール(リー)
   ロバート・プロスキー(ダーネル)/他


小気味いいオールディーズナンバーにのって、58年型の真っ赤なプリスマ・フューリーと呼ばれる車が次々と人間に襲い掛かるスティーブン・キング原作のSFホラー小説の映画版。ポンコツ車に目をつけ、見事に蘇らせた気弱な少年アーニーがこの車によってみるみる人格を変化させ、親に反発し、人間らしさを失い、悪魔と狂気にとりつかれていく。

どうもこの車に乗り移っているのは、女性のようです。もし声が出たら女性のような声で喋りかけるのでしょう。これまで映画の中で登場した凶悪な車と言えば、「激突」に表われた正体不明のトレーラー、「ザ・カー」の黒い車や「処刑ライダー」のカスタムターボ、そして、「ナイトライダー」のK.A.R.R.などを思い出されます。ナイトライダーシリーズで2度目に登場した時のK.A.R.Rは、クリスティーン同様、とてもふてぶてしく、悪魔的な性格で人を操り、人間を痛めつけようとしました。しかし、その中でもクリスティーンは、かなり悪質、凶悪。人間に対する復讐心も強く、その殺し方も残虐だ。この車の凄いところは、どれだけボディをボコボコに潰されようとも、火をつけられ、燃やされようとも、自分で元通りに復元してしまうところだろう。そして、ついには自分の意思を持ち、人間を恐怖に陥れる。

原作小説とは、かなりかけ離れた内容になってしまったようですが、しかし、この映画の特撮シーンは素晴らしい。ボロボロになった車体が華麗に美しく再生される場面や、車幅よりも狭い建物の隙間に勢い良く入り込んでいく執念の凄まじさが描かれている場面、ガソリンスタンドで燃え上がった車体が少年達を追いかけまわす場面など、映像的には、かなり満足できる出来上がりで圧倒されます。

1957年、デトロイトの自動車工場で作られた真っ赤なボディのプリスマ・フューリーに異変が起きた。それから21年後の1978年のカリフォルニア。高校生でカーマニアのアーニーは、学校ではいつも不良達にいじめられ、家庭では、束縛されていた。ある日、友人のデニスの車に乗っていたアーニーは、空き地に野ざらしにされていたスクラップ寸前のプリスマを発見する。それに魅せられたアーニーは、250ドルで車を買い、必死の努力で、プリスマを新車同様に蘇らせた。アーニーは、ガールフレンドのリーを車に乗せるようになり、やがて性格も変わり始めていくが・・・。


 

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