ザ・カー

THE CAR(1977年/アメリカ)

監督 エリオット・シルバースタイン   

出演 ジェームス・ブローリン(ウエイド)
   キャサリーン・ロイド(ローレン)
   ジョン・マーレイ(エベレット)
   ロニー・コックス(ルーク)
   ジョン・ルーベンステイン(ジョン・モリス)/他


1970年代に起こった、スティーブン・スピルバーグの『激突!』を代表するスリラー映画、バート・レイノルズの『トランザム7000』に代表されるカーアクション映画、オカルト、スーパーカーブーム。そして、陸のジョーズとの触れ込みで登場したホラー・カーアクション『ザ・カー』。ホラーテイストの強い作品ですが、カーアクション場面が鮮烈で素晴らしいのであえて、アクションのジャンルに入れる事にしました。

『バニシング・IN・60』を制作したH.B.ハリッキーの『ジャンクマン』にも参加したジョージ・バリスによってリンカーン・マークVがカスタムされた。あの分厚い車体と太目のフロントバンパー、2つのヘッドライトで怒った人の顔のように見える黒いマシーンのデザインが強烈。レースマシーンのようなけたたましいエンジン音と不快なクラクション、白い土煙を上げながら猛烈に突進してくるあの不気味なカスタムカーの一際パワフルな動きには、目を見張るものがある。砂漠の道で警備している警官のその遠く先から、ピカピカとボティを光らせてやってくるあのマシーンの映像がやけに怖い。山の坂道を登るパトカーのフロントガラス越しに突如現れるマシーンの映像もスリリング。一番の見所は、やはりなんと言っても、向かってくる二台のパトカーに突然、車体を横にして横転しながら体当たりするところ。当時、CG技術もないので、おそらく本物の車体をぶつけていると思うが、パトカー車内の視点からの映像がもの凄く迫力があり、横転してくる車の凄まじさをひしひしと感じさせてくれる。ラストの悪魔の顔のような炎の演出も面白かった。80年代に登場した『処刑ライダー』は、この映画のオマージュではないかと思う節が随所に見られる。『ナイトライダー』にも登場したカールもこの映画のマシーンの影響を受けているのではないかと思うが、実は、この作品とナイトライダーのカールが初登場したエピソードには、ある不思議な関係があります(笑)。

この度、DVDが発売され、改めて鮮明で綺麗な映像で見たのですが、その昔『日曜洋画劇場』や、サンテレビの日曜夕方の映画枠で放送されていた頃の色褪せた映像の方がより一層怖かったような…。テレビ放送版の日本語吹替えも収録されていて、中々お得です。


西部サンタイネスの町の郊外で、黒い車に自転車に乗ったカップルやヒッチハイカーがひき殺される事件が起きる。保安官のウエイドは、目撃者のエイモスから事情を聞くが、運転者の手掛かりは掴めなかった。翌日、教師をするウエイドの恋人ローレンの生徒達がいる広場に突然、あの車が現れ、襲いかかってきた。ローレン達は、墓に逃げ込み、その間に、警官達がかけつけるが、銃の弾丸にもびくともしないその車は、次々と警官達を殺戮して行く。


 

MENU HOME