ボルケーノ
VOLCANO(1997年/アメリカ)
監督 ミック・ジャクソン
出演 トミー・リー・ジョーンズ(マイク・ローク)
アン・ヘッシュ(エミー・バーンズ)
ギャビー・ホフマン(ケリー・ローク)
ドン・チードル(エミット・リース)
ジョン・コーベット(ノーマン・カルダー)/他
1990年後半期に起きたパニックムービー再ブームの中でヒットした一作。火山の爆破物パニックムービーと言えば、火砕流の斬新な映像が話題になった『ダンデス・ピーク』などもあったが、この作品は、ロサンゼルスを火の海に変えるマグマの大群の映像が凄まじい。CG全盛時代を象徴するかのごとく、地面の上を静かに広がって行く不気味なマグマの動きが見事に映像化されている。80年代は、『ブラックライダー』、90年代は、『アパッチ』、スティーブン・セガールの『沈黙の戦艦』で、極悪なテロリストを演じ、『ブローン・アウェイ/復讐の序曲』では、狡猾な爆弾魔役で、主演のジェフ・ブリッジスを圧巻させるほどの演技力を見せていたトミー・リー・ジョーンズがマイク役を熱演。
スクリーンで見た時は、CGながらも非常に興奮したものだった。とくに、地下から次々と水蒸気ガスが吹き上がり、マンホールの蓋が次々と吹き飛ばされる場面や、溶岩流の中に置き去りにされた人を救助しようと、マイクとエミーが消防車の梯子に助けた人を乗せ、その後自分達も梯子につかまり、溶岩流の上を梯子で移動している場面は、中々スリリングな映像だった。また、地下鉄のシーンも印象的。噴き出したマグマによって、炎に飲まれた列車の中に残された人を救助するため、地下鉄の重役が自分の身を犠牲にして、列車の出口の周りにできているマグマの上に飛び降りる場面は、何やら別のSF映画のラストシーンを見ているような気分になった。
最終的に、瓦礫やコンクリートを寄せ集めて、一旦は、通りの地面を流れる溶岩流を食い止めるが、マグマの勢いがおさまらず、溶岩流の流れを変えようと、さらに大きなコンクリートの壁を作るために、マイクの提案で巨大なビルを爆破すると言うこれまた、度肝を抜くような豪快な展開になって行くところがいかにもハリウッド映画らしくて、圧巻。しかし、爆破されるビルの中に取り残された娘と子供を助けるために、指導者であるマイクが無謀にも飛び出し、二人を助けに行く場面は、ちょっと無理矢理な印象を感じた。
ロサンゼルスを突如襲った地震の後、作業員が謎の焼死をした。危機管理局局長マイク・ロークは、地下の調査を開始するが、そこのコンクリートの裂け目から噴き出した高温の蒸気に襲われ、危うく命を落としそうになる。これらの現象は、やがて、ロスで巻き起こる天変地異の序章に過ぎなかった…。