ブラックライダー

BRACK MOON RIGING1986年/アメリカ)


原案・脚本 ジョン・カーペンター

監督 ハーリー・コクリス

出演 トミー・リー・ジョーンズ(クイント)
   リンダ・ハミルトン(ニーナ)
   ロバート・ヴォーン(ライランド)
   ババ・スミス(ジョンソン)
   ニック・カサベテス(ルイス)
   ウィリアム・サンダーソン(タイカ)/他


この映画の原案・脚本のジョン・カーペンターは、同じ車を題材に使った映画「クリスティーン」を監督している。何度潰されても悪魔的に蘇る車が主人公の物語ですが、この映画に登場する車は、『クリスティーン』『処刑ライダー』のようなファンタスティックなものでなく、現代技術の水位を結集したスーパーマシーン「ブラックムーン」と名づけられた車が登場し、その全体的なイメージは、『ナイトライダー』に匹敵する部分もある。オープニングの舞台がラスベガスというのも同じだし、主人公がいくつもの顔を持つ謎多い男であることも然り。ブラックムーンが実験走行で走る砂漠は、おそらく『ナイトライダー』のナイト2000が砂漠を疾走するオープニングで使われた場所と同じだと思います。音楽もいかにも近未来的。(ちなみに作曲は『ミッション・インポッシブル』などを手がけるラロ・シフリン。ただ、どちらかと言うと『ブルーサンダー』のテーマに近いようにも聞こえる)。かなりの面において、『ナイトライダー』を意識して作られた作品ではないかと思います。

ブラックムーンの性能は、劇中あまり詳しく説明されませんが、ブラックムーンに積まれたエンジンには、水を分解し水素を作り出す触媒コンバーターを搭載され、走行中にセカンダリーブースターを点火させることによって最高速度330マイル以上のスピードで走行することが可能になる。ナイト2000が、スーパー追跡モードを使用して出せる最高速度が300マイルだとすると、ブラックムーンはそれを上回るハイスピードで走行できるハイテクスーパーマシーンになる。ボディもケルバーと言う素材を使った防弾になっている。なんと言っても見所は大都会の街中を疾走するブラックムーンと、それを追うクイントの乗ったダッジ・デイトナとの大追跡シーン。トンネル内でターボを点火させハイスピードで走行するブラックムーンはかなり魅力的。

だが、残念なのは、ブラックムーンが街に暗躍する車強盗団に盗まれてしまい、クイントがブラックムーンに隠した重要機密の入ったテープを取り戻すため、ついでとばかり車を取り戻そうとする展開や、クイントとリンガーとの確執、そしてニーナとのラブ・ロマンスが話の中心になっていて、車は2の次と言わんばかりにブラックムーンの活躍が少ないことと、その魅力が十分に伝わりきれていないことだろう。はたしてこの映画にラブ・シーンは必要だったのか?もっとこの車の魅力を押し切れば、面白い作品になったかもしれません。もしこの映画が成功していれば、テレビシリーズ化するつもりだったのでしょうか?もし、それが存在するのであれば、ぜひとも見てみたいものです。

主人公クイントを演じるのは、『沈黙の戦艦』『ブローン・アウェイ』『ボルケーノ』『メン・イン・ブラック』『追跡者』など数多くのヒット作に出演するトミー・リー・ジョーンズ。ニーナ役は、『ターミネーター』シリーズのリンダ・ハミルトンの他、ライランド役には、『荒野の七人』『ナポレオン・ソロ』『特攻野郎Aチーム』のロバート・ヴォーン。ルイス役のニック・カサベテスは、『処刑ライダー』にも出演しています。またブラックムーンの開発メンバーで、耳の不自由なエンジニア・タイカを演じているウィリアム・サンダーソンは、『ナイトライダー6/後半』『ラストマン・スタンディング』に出演しています。ジョンソン刑事役のババ・スミスは、『ブルーサンダー』のTVシリーズにレギュラー出演しています。

<訂正:クイントが乗る車は、カマロではなく、ダッジ・デイトナでした。どうも失礼しました>


夜、ラスベガスにあるラッキー・ダラー社経理部の建物にある男が侵入した。フリーエージェントのクイントは、FBIの依頼で、ダラー社から脱税疑惑に関する重要テープを盗み出した。翌朝、街のガソリンスタントで待機していたクイントは、止まっていたトレーラーに積まれていた最新鋭の車の中にテープを隠す。ハリウッドに向かったそのトレーラーを追ってハリウッドに来たクイントは、テープを取り戻そうとするが、その最新鋭の車が車強盗団に盗まれてしまい・・・。

 

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