~AIRWOLF ORIGINAL SEASON4 EPISORD~
SUBTITLE 『ANGEL'S OPPOSITION』 作 ガース「ガースのお部屋」
―ACT1―
○ ネブラスカ上空
泡のような曇の中を飛行する一機の白いヘリ。
○ ヘリ・コクピット内
操縦レバーを握る操縦士の男。ヘルメットとサングラスをつけている。
隣の席に座っているアークエンジェル。
白い帽子をかぶり、白いスーツを着ている。
ヘリのフロントガラスにポツポツと雨が打ち始める。
アークエンジェル「雨か」
操縦士の男「夕方から本格的に降るみたいですね」
アークエンジェル「そろそろ降り始めるぞ。工場まであとどれぐらいだ?」
操縦士の男「15分です」
腕時計で時間を確認するアークエンジェル。時間の針は「PM2:15」を差している。
足元に置いてあるジュラルミンケースを気にするアークエンジェル。
雨が一層激しくなる。
轟く雷鳴。
突然、正面から赤いレーザー光が差し込み、操縦士の顔に当たる。
赤い光を手でさえぎる操縦士。
操縦士の異変に気づくアークエンジェル。
アークエンジェル「なんだその光は?」
操縦士の男「わかりません。前から何かやってきます」
前方を見つめるアークエンジェル。
激しい雨空の中、接近してくる金色のAH―1W。
ヘリを凝視するアークエンジェル。
○ ネブラスカ上空
白いヘリに正面から異常接近するAH―1W。
一瞬で白いヘリのそばを通り過ぎていく。
○ ヘリ・コクピット内
機体が激しく揺れる。
操縦士の男「お怪我はありませんか?」
アークエンジェル「問題ない」
操縦士の男「一応本部に報告しておきます」
アークエンジェル「いや、交信は控えろ」
操縦士の男「しかし、あのヘリ、普通じゃなかったですよ。もしかしたら空軍の最新式のヘリじゃ・・・」
また赤いレーザー光が差し込む。アークエンジェルの顔に当たる。
右手で光をさえぎるアークエンジェル。
操縦士、正面を見つめ、愕然とする。
操縦士の男「さっきのヘリだ」
アークエンジェル「違う。今度は黒だ」
激しい雨でぼんやりとしか見えない。
やがて、黒いAH―1Wが接近してくるのが見える。
AH―1W(黒)の前部に設置されているカービン銃が高速回転。白いヘリに向かって発射される。
轟く発射音。
○ ネブラスカ上空(翌日)
狼の鳴き声のようなエンジン音を唸らせながら飛行するエアーウルフ。
ホークの声「アークエンジェルのヘリが消えたのはこの辺りか?」
○ エアーウルフ・コクピット内
操縦席に座るストリング・フェロー・ホーク。
フライトシステムの座席に座るドミニク・サンティーニ。
ドミニク「白無垢の子飼いのかわい子ちゃんの話が本当なら、ここで間違いない」
ホーク「交信が途絶えてからちょうど24時間か」
ドミニク「いくら優秀なエアーウルフ様でも、行方不明のヘリを見つけ出すのは至難の・・・」
モニターを見つめ、唖然とするドミニク。
ホーク「どうした?」
ドミニク「この下の草原が黒焦げになってる。それに、ヘリの残骸のようなものが確認できた」
怪訝な表情を浮かべるホーク。
○ 山岳地帯
山の谷間に広がる草原と湿原。
草原へゆっくりと着陸するエアーウルフ。
エアーウルフから降りる二人。
黒焦げになって散らばっているヘリの機体の残骸の前に歩み寄る。
ドミニク「どうやら着陸した後に、ミサイルのようなもので撃たれたみたいだな」
歩き出すホーク。植林地帯に向かっている。
木々の合間を歩いていくホーク。
うつ伏せで倒れている男の遺体を見つける。
ホーク「ドミニク、来てくれ」
× × ×
遺体の前に立つホークドミニク。
遺体を裏返し、顔を確認するホーク。
ドミニク「アークエンジェルが乗っていたヘリのパイロットか?」
ホーク「みたいだな」
ホーク達から数百メートル離れた木の陰に隠れているトレッキングスタイルの若い男。。
男は、リッツ・デュバル(28)。
ドミニク「この一帯に犯人のアジトがあるのかもしれんな」
ホーク「エアーウルフに戻れ」
ドミニク「どうする気だ?」
ホーク「周囲を探る」
ドミニク「周りは林だらけだ。迷子になっても知らんぞ」
ホーク、通信用のレシーバーをドミニクに見せる。
ドミニク「そんな装備があるなら、先に言え」
山を降りて行くホーク。
ドミニク「狼に気をつけろ」
○ 山岳地帯の麓にあ山小屋・中
扉が開く。部屋に入るリッツ。
暖炉前。ロッキングチェアに腰掛けている男。暖炉の上に飾られているピョートル大帝の肖像画を眺めながら、パイプを燻らす。
男の背後に歩み寄るリッツ。
男「ペンダントは見つかったか?」
リッツ「いいえ・・・」
肩を落とす男。
男「駄目か・・・」
振り返る男。男は、フランク・ゴードン(53)。白髪、濃い髭を生やしている。
右のこめかみに5cmほどの大きな傷がある。左手に黒いグローブをつけている。
リッツ「あの男がここに来ています」
フランク「何をしていた?」
リッツ「パイロットの遺体を調べていました。もう一人の仲間も」
立ち上がるフランク。険しい顔つき。
フランク「本当に二人だけか?」
リッツ「はい」
フランク、壁に掛けていたジャンバーを着る。
フランク「山狩りだ」
部屋を出て行くリッツ。
フランク、扉の前に縦置きにしていたライフルを持つ。
○ 山岳地帯
植林の急斜面を滑り下りているホーク。
ホーク、突然立ち止まるとその場にしゃがみ込む。
眼下に見える草原を走る一台のジープ。
暫くして、別の方角からもう一台のジープがやってくる。
立ち止まる二台のジープ。
ジープに乗っていた男達が一斉に車から降りる。男達は、全員迷彩柄のハウンティングウェアを着て、ライフルを持っている。
男達、離散し、森の中を歩き始める。
数匹の猟犬が放たれる。方々に、森の中を駆け抜けていく猟犬達。
ホーク、立ち上がり、来た道を戻り始める。
○ エアーウルフ・コクピット内
フライトシステムの座席に座るドミニク。
モニターに映るトラックの様子を見つめている。
ドミニク「こういう警備員みたいなマネは、わしの性に合わん」
ドミニク、足元に置いていた鞄の中からアンパンを取り出す。
ドミニク「眠気覚ましだ。スタジアムに行って、アツアツのホットドッグを食いたいぜ」
ドミニクがアンパンにかじりつこうとした瞬間、ドアが開く。ホークが操縦席に乗り込んでくる。
ドアを閉めるホーク。
ドミニク「何か見つかったか?」
ホーク、ヘルメットをかぶり、パワーシステムの『START 1』ボタンを押す。
ホーク「気づかれたみたいだ。ハンターが集団でこっちにやってくる」
急いでヘルメットをかぶるドミニク。
ドミニク「さっさと退散しよう」
○ 山岳地帯
エアーウルフのメインローターとテールローターの回転が速くなる。
機体が浮き上がる。ホバリングしながら、高度を上げるエアーウルフ。
森の中を歩いていたハンターの男達がエアーウルフに気づき、一斉にライフルを撃ち始める。
いくつもの発砲音が鳴る。弾丸がエアーウルフの機体に当たるが火花を散らして跳ね返す。
南の方角に向きを変えると、ターボシステムが作動。一瞬でその場を飛び去っていくエアーウルフ。
ライフルを撃ち続けるハンター達。
ハンター達の後ろに立つフランク。
フランク「やめろ!」
一斉に撃つのをやめるハンター達。
フランク、空の彼方に消えるエアーウルフを見つめ、ほくそ笑む。
○ とある地下室
薄暗い部屋。
ベッドで横になっているアークエンジェル。黒い毛糸のマスクをかぶっている。
腹部に金属製の太いベルトを巻かれ、ベッドに固定されている。両手・両足首も固定されている。
もぞもぞと体を動かすアークエンジェル。
アークエンジェルの前にやってくるフランク。
フランク「お似合いだぞそのマスク」
アークエンジェル「その声は、フランクか?」
フランク「覚えていたのか」
アークエンジェルのマスクをはぎ取るフランク。
天井のライトの光を浴びて、目を細めるアークエンジェル。
フランク「嬉しいよ。おまえが昔のままでいてくれて」
フランクを見つめるアークエンジェル。
アークエンジェル「ウクライナで諜報活動中に消息不明になったと聞いていたが、また会えるとは思わなかった」
フランク「西ドイツに雲隠れしていたのさ」
アークエンジェル「あの女と一緒にか?」
フランク「・・・アリシアは、3年前に死んだ。不治の病でな。満足に薬も与えてやれなかった」
アークエンジェル「あの女は、KGBに洗脳された二重スパイだった。外交官に成りすましてCIAの内部情報を盗んでいたんだぞ」
フランク「彼女はまだ若かった。まだいくらでもやり直せる年齢だった。だがら私の力で救ってやりたかったのさ」
呆れた表情を浮かべるアークエンジェル。
フランク「あの時、協力を申し入れたのに、おまえはそれを無視した」
アークエンジェル「彼女を拘束して、裁判にかけるべきだった」
フランク「彼女を一生ムショで生活させることはできなかった」
アークエンジェル「目的はなんだ?」
フランク「君が持っていたあの極秘ツールは、最新式のステルス戦闘機のCAS装置だったな?」
フランク、ジャンバーの内ポケットから写真を出しアークエンジェルに見せる。
写真には、ホークの山荘の前で会話をしているホークとアークエンジェルの姿が写っている。
アークエンジェル「・・・ステルス戦闘機の隠し場所を教えろというのか?」
ホークの写真をアークエンジェルに見せ付けるフランク。
フランク「おまえが喋る気がないのなら、代わりにこの写真の男に喋ってもらうことになるぞ」
アークエンジェル「彼が知るわけないだろ」
フランク「ストリング・フェロー・ホーク。4年前、モフェット博士のヘリを奪い去った男だ」
アークエンジェル「・・・」
フランク「昨日、君を拉致した場所にこの男と連れが来ていた。二人が乗っていた黒いヘリは、おそらくモフェットのヘリだ」
追いつめられるアークエンジェル。
○ とある製造工場(深夜)
倉庫内に駐機されている最新型ステルス戦闘機(ベースは、F―22B)。
突然、警告アラームが鳴り出す。
警備室から数人の警備員達が慌しく出てくる。
倉庫の扉が爆発し、扉が倒れる。
ジープに乗る迷彩服姿の五人の男達。
機銃を連射させ、近づいてきた警備員を撃ち殺す。
ジープから降り、戦闘機の周りを取り囲む男達。
4WDの青い車が倉庫に入ってくる。
立ち止まる車。助手席からパイロットスーツを着た男が降りる。
男、ステルス戦闘機のコクピットに乗り込む。
○ コクピット内
電源が入り、計器類や多目的ディスプレイ、その他のデジタル機器が一斉に光る。
○ 勢い良く炎を吹き出すステルス戦闘機のエンジン
○ 滑走路
倉庫からゆっくり前進。表に出るステルス戦闘機。
滑走路を高速で走り抜け、瞬間的に離陸する。
夜空の彼方に消え去って行くステルス戦闘機。
○ ホークの山荘
テットに餌を与えるホーク。
電話が鳴る。
受話器を上げるホーク。
ホーク「俺だ。ドミニクか?」
○ サンティーニ航空
倉庫の事務所の中で電話をしているドミニク。
ドミニク「さっき白無垢の子飼いから連絡があった。例のステルス戦闘機の護衛を依頼されたぞ」
○ ホークの山荘・中
ホーク「返事をしたのか?」
ドミニク「するわけないだろ。おまえ抜きで」
ホーク「わかった。すぐ行く」
受話器を置くホーク。
玄関に向かって歩き始める。
裏のほうで物音がしたのに気づき、足を止める。
ホーク、そばの窓を見る。
慌てて身を隠す女の姿が見える。
ホーク、ジャンバーのポケットの中に入れていたリボルバーの銃を出すと、屈んでゆっくりと表の扉を開ける。
○ 同・表
周りの様子を確認するホーク。
誰もいない。
山荘の片隅に身を隠している若い女。
女に気づくホーク。
女、銃を発射する。
ホーク、山荘前の土面に転がり、弾を避ける。
銃を撃ち返すホーク。
女、弾を避け、山荘の裏のほうへ逃げていく。
追いかけるホーク。
○ 同・裏
林のほうへ逃げる女。
追いかけながら銃を撃つホーク。
女、立ち止まり、両腕を高く上げる。
銃を向けながら女のそばに寄るホーク。
ホーク「何者だ?」
女「撃たないで。頼まれただけなの」
ホーク「誰に頼まれた?」
女「その前に私を安全な場所に匿って」
ため息をつくホーク。
―ACT1 END―
―ACT2―
○ CIA本部・作戦室
自動ドアが開く。アークエンジェルの秘書セラフィ・メンデス(27)に続いて、ホークとドミニクが入ってくる。
ホーク「CIAに内通者がいるって言うのか?」
立ち止まり、ホーク達と対峙するセラフィ。
セラフィ「まだわからないけど、あなた達の情報が筒抜けになっているの」
ドミニク「心当たりがあるのか?」
セラフィ「何も。ここ二週間ずっと部長につき添っていたけど、変わった様子はなかったし、局内の関係者としか会っていなかったわ」
ドミニク「もしかしたら、エアーウルフの情報も・・・」
ホーク「・・・」
セラフィ「昨夜、ステルス戦闘機の製造工場が襲撃されたの。戦闘機が奪われた」
愕然とするホークドミニク。
ドミニク「アークエンジェルのやつ、隠し場所を教えやがったのか」
セラフィ「警戒レベルを上げていたのに、見事にその包囲網を突破されてしまった」
ホーク「おそらく、取り引きをさせられたんだろう。俺達の命と引き換えに」
セラフィ「それも考えられるわね。部長一人なら、激しい拷問に耐えられるし、何も答えなかったはずよ」
ドミニク「やったのはソ連の連中か?それとも・・・」
ホーク「俺を見張ってた女のことは何かわかったか?」
セラフィ「ノーラ・ナックス。レストランのウェイターよ」
ドミニク「ウェイターだ?」
セラフィ「彼氏のリッツ・デュバルという男に頼まれて、二週間前からあなたの山荘を見張ってたらしいの」
ホーク「その子に会わせてくれないか」
○ 同・取調室
デスクを挟んで向かい合って座っているホークとノーラ。
ノーラ「リッツとは5日前に会ったけど、その後は、ずっと電話でやりとりしただけ」
ノーラを険しい顔つきで見ているホーク。
ノーラ「怒る気持ちはわかるけど、そんな顔で見ないでよ。喋る気なくす」
ホーク「ウッドペッカーみたいにゲラゲラ笑えっていうのか?」、
ノーラ「そういう冗談好き。ミッキーマウスの話しない?」
ホーク「生憎ポパイしか知らないんだ。報酬はいくらもらった?」
ノーラ「そんなのもらってない。その代わり、あんたの見張りが終わったら、アラスカに一緒に行く約束をしたの」
ホーク「本当にその条件を飲んだのか?」
ノーラ「彼キャンピングカーで暮らしてるってさっきも言ったでしょ。放浪癖があるから。いろんな場所を知ってるみたいだし、ちょうど私も旅行したかったから」
ホーク「何の仕事をしてる?」
ノーラ「聞いたけど何も答えてくれなかった。でもお金は持ってるみたい。一ヶ月前よ、知り合ったの。私が働いているレストランに来て、ビールを注文したの。
細身で髭なんか生やしちゃって、すんごくニヒルで。その雰囲気に飲まれちゃって私つい・・・」
ノーラ、何かを思い出した様子。
ホーク「どうした?」
ノーラ「アラバマにいる友人に会いに行くって話してたけど。もしかしたら、そこにいるのかもしれない」
ホーク「アラバマ?」
ノーラ「一度黙って彼のアルバム覗いたことあるんだ。小さい頃あの辺に住んでたみたい」
○ とある地下室
部屋の中に入ってくるフランク。
ベッドに縛られているアークエンジェルの前に立つ。
アークエンジェルの体の固定器具をはずすフランク。
起き上がるアークエンジェル。
アークエンジェル「気が済んだのか?」
フランク「戦闘機は手に入ったからな」
アークエンジェル「死ぬ前においしい紅茶を飲ませてくれ」
フランク「誰が殺すと言った?」
ため息をつくアークエンジェル。
フランク「立て」
アークエンジェル「どこへ連れて行く気だ?」
フランク、黒いアイマスクをアークエンジェルの両目にかぶせる。
フランク「おいしい紅茶が飲める場所だ」
○ CIA本部・作戦室
セラフィと話すホークとドミニク。
セラフィ「ノーラを連れて行くってどういうこと?」
ホーク「リッツの居場所を知っているのは彼女だけだ」
セラフィ「そんな許可出せないわ」
ホーク「なら俺たちは手を引く」
ドミニク「白無垢を見殺しにするっていうのか?」
ホーク「頭の固い秘書のせいでアークエンジェルは本当の天使になるのさ」
立ち去るホーク。
セラフィ「待って」
立ち止まるホーク。
セラフィ「その代わり、私も連れていって」
ホーク「君は、内通者を探せ」
ドミニク「心配する気持ちは理解できるが、そのほうがいいな」
セラフィ「わかったわ・・・」
○ ロス市内・住宅街
大通りを走るドミニクのジープ。
○ ジープ車内
運転するドミニク。助手席にノーラが乗っている。
ノーラ「どこに向かってるの?」
ドミニク「着いたらわかるさ」
ノーラ、前方に見える公衆電話を見つめ、
ノーラ「ちょっと止めて」
ドミニク「どうした?」
ノーラ「ママに連絡したいの。当分の間帰れないんでしょ?心配するといけないし」
ドミニク「・・・そうだな。さっさと済ませろよ」
ノーラ「話のわかるおじさん大好き」
ドミニク「調子に乗るな」
○ アメリカ南西部・砂漠地帯(数時間後)
砂漠の真ん中を通る道を走っているドミニクのジープ。
道路をはみ出して、砂の上に止まる。
○ ジープ車内
ノーラ「ラクダのショーでも始まるの?」
ドミニク「それより、もっと凄いショーだ」
後方から狼の鳴き声のようなエンジン音が鳴り響く。
後ろを見るノーラ。
二人の頭上を瞬く間に通り過ぎていくエアーウルフ。
ノーラ「何あれ?空飛ぶイルカ?」
ドミニク「狼と言え、狼と」
ホバリングし、ジープの間近に降りてくるエアーウルフ。
○ アメリカ南西部・砂漠地帯上空
ターボで高速飛行するエアーウルフ。
○ エアーウルフ・コクピット内
レバーを握るホーク。助手席にノーラとケイトリン。
フライトシステムの席にドミニクが座っている。
ノーラ、スピードに慣れず、目眩を起こしてふらふら。
ノーラの様子を見つめるホーク。
ノーラ「ヘリってみんなこんななの?」
ドミニク「こいつは世界中のヘリの中で一番足が速いんだ」
ケイトリン「この子、なんだか様子が変よ」
ノーラ「吐きそう・・・」
ドミニク「おいおい。計器類を汚したら承知せんぞ」
ホーク「吐くならそこのケースの中でやってくれ」
ドミニク「わしの大事な衣装ケースをゲロ袋にするつもりか。高かったんだぞそれ」
ノーラ「ちょっと寝るわ。着いたら起こして」
ケイトリン「ところで敵の狙いはわかったの?」
ドミニク「アラバマにはこれといった軍事施設はないようだが、その南のフロリダには、ケネディ宇宙センターがある」
ホーク「そこで明日の午後に軍事用の偵察衛星を載せた無人ロケットを打ち上げる予定になっているそうだ」
ケイトリン「じゃあ、やつらの狙いは、それなの?」
ドミニク「まだはっきりしたことはわからん。だが可能性はある」
眉を顰めるホーク。
○ アラバマ州上空
都市部のビル郡の上を高速で飛んでいるエアーウルフ。
○ 同・草原地帯
ホバリングするエアーウルフ。
ゆっくりと降下し着陸する。
○ バーミングハム
整然と立ち並ぶ住宅街の通りの歩道を歩くホークとノーラ。
辺りを見回すノーラ。
立ち止まり、向かいに立つ赤いレンガ造りの家を指差す。
ノーラ「あれよ。彼の家」
家を見るホーク。
二人の前を赤いカマロが通り過ぎる。
○ カマロ・車内
運転しているリッツ。急ブレーキを踏む。
リアガラス越しにホーク達を見ている。
○ 赤いレンガ造りの家前
ドアの前に立つ二人。
ドアをノックするホーク。
中から、パーマ髪、肥満気味の中年の女性が顔を出す。
ノーラ「デュバルさんのご自宅ですか?」
女「いいえ。うちは、レイバーンですけど」
焦るノーラ。
ノーラ「あの・・・リッツ・デュバルって男の人のこと、知りませんか?」
女「聞いたことがないわねえ・・・」
怪訝にノーラを見つめるホーク。
ノーラ「いつ頃からこの家に住んでるの?」
女「引っ越してきたのは、5年前だけど」
ノーラ「じゃあ、前に住んでた人のこと何か知ってます?」
女「全然・・・」
突然、サブマシンガンの連射音が鳴り響く。
ホーク、ノーラをかばい、その場に身を伏せる。
女の悲鳴が上がる。
扉に流れるようにいくつもの風穴が空く。
ノーラ、突然外に飛び出す。
ホーク「ノーラ!」
カマロの助手席に乗り込むノーラ。
タイヤを軋ませながら走り去って行くカマロ。
立ち上がり、走り去って行く赤いカマロを見つめるホーク。
ホーク、ズボンの後ろのポケットからエアーウルフの交信用の通信機を出す。
ホーク「ドミニク、聞こえるか?」
○ エアーウルフ・コクピット内
操縦席に座っているドミニク。フライトシステムにケイトリンが座る。
ドミニク「どうした?」
スピーカーからホークの声が聞こえる。
ホークの声「赤いカマロを探してくれ。その車にノーラも乗っている」
ドミニク「どういうこった?」
ホークの声「とにかくカマロを追うんだ」
ドミニク「了解」
レバーを操作するドミニク。
浮上するエアーウルフ。
○ カマロ車内
運転しているリッツ。助手席に座るノーラ。
ノーラ「これで良かったの?」
リッツ「ああ。完璧」
ノーラ「やっとアラスカに行けるね」
リッツ「おまえ、ここまで何できた?やけに早かったな」
ノーラ「ヘリよ。特別なヘリみたい」
リッツ「ヘリって、黒いヘリ?」
ノーラ「そうよ。知ってるの?」
リッツ「ちょっとな」
○ アラバマ州・バーミングハム都市部上空
低空で飛行するエアーウルフ。
住宅街の道路を猛スピードで走っているカマロ。
○ エアーウルフ・コクピット内
モニターに映る住宅街の俯瞰映像。
カメラがズームアップし、猛スピードで走るカマロの姿を撮らえる。
ケイトリン「見つけたわ」
○ ビジネス街
銀行などが立ち並ぶ通りを進むカマロ。
交差点を曲がり、ダウンタウンの通りを走り出す。
○ 住宅街
歩道を歩くホーク。
通りがかったタクシーを止め、後部席に乗り込む。
○ ダウンタウン通り
猛スピードで走るカマロ。
通りに建っている「ハンプトン・ホテル」の駐車場に入って行く。
○ エアーウルフ・コクピット内
モニターに映るカマロ。
ホテルの建物の陰に隠れて、姿が見えなくなる。
ケイトリン「ダウンタウンの通りにあるホテルの駐車場に入った。ハンプトンホテルよ」
○ タクシー車内
後部席に座っているホーク。
無線機で話すホーク。
ホーク「わかった」
ドライバーに声をかけるホーク。
ホーク「ハンプトンホテルに向かってくれ」
○ マイアミ市内・とあるホテル4F客室
眺めのいい景色が見える高級感のある部屋。
一人掛けのソファに腰をかけているアークエンジェル。
ベランダの前に立つフランク。片手にブランデーグラスを持ち、ジッと眺めている。
アークエンジェル「酒も飲めないのにさっきからグラスばかり眺めて何してる」
フランク「このグラスはアリシアが私にプレゼントしてくれたものだ。こいつを見るとオッペンハイムの白い果実の匂いが漂ってきて、
目の前にあいつがいるような気分になる」
アークエンジェル「アリシアはもういないんだフランク。いつまで彼女の幻影を追うつもりだ」
フランク「大事にしていたペンダントを失くしたばかりでな。アリシアの形見は、もうこのグラスしか残っていない」
踵を返し、アークエンジェルを見つめるフランク。
フランク「CIAにいた頃は、週に4人は拷問にかけていた。無残に朽ち果てたスパイ達を何人も見た。
それが私の仕事なんだと自分に言い聞かせながら、人殺しにも慣れていった」
アークエンジェル「私達の仕事はそういうものさ。国を守るために割に合わないことでも平気でやるのさ」
フランク「そういうことを忘れさせてくれたのがアリシアだった」
アークエンジェル「もし彼女が生きていたら、今頃子供を作って、良いパパになっていたか?」
フランク「おまえとこうして会うこともなかっただろうな」
アークアンジェル「私にも昔愛した女がいた。彼女は東側に潜伏し、KGBに殺されそうになっていた。私は、一人で東ベルリンに行き、
彼女を救い出そうとしたが駄目だった。彼女は、すでにKGBに洗脳されていたんだ」
フランク「そうか。それは残念だったな・・・」
唖然とするアークエンジェル。
アークエンジェル「本当に何も覚えていないのか?」
フランク「何のことだ?」
アークエンジェル「いいや。何でもない」
スーツケースの中にある携帯電話が鳴る。
電話に出るフランク。
フランク「私だ」
○ ハンプトンホテル・5F客室
ベッドに座るノーラ。
玄関前に立っているリッツ。携帯電話で話している。
リッツ「予定通りです。ホークを呼び出しました」
フランクの声「ヘリも一緒か?」
リッツ「はい」
フランクの声「よし。彼女の仕事は終わった。後のことはおまえに任せる」
俯くリッツ。
リッツ「一つ聞いて良いですか?」
フランクの声「なんだ?」
リッツ「アリシアを助けたことを後悔したことがありますか?」
○ マイアミ市内・とあるホテル4F客室
フランク「なぜそんなことを聞く?」
リッツの声「ちょっと気になったもので」
フランク「・・・後悔などするものか」
○ ハンプトンホテル・5F客室
呆然と佇むリッツ。
リッツのそばに寄って来るノーラ。
ノーラ「誰と電話してたの?」
振り返るリッツ。
リッツ「・・・友達さ」
ノーラ、リッツに抱きつく。
リッツ、ジャケットのポケットからペンダントを出す。
ノーラ「なにこのペンダント。かわいい」
ペンダントをノーラに手渡すリッツ。
リッツ「拾ったんだ。欲しかったらあげるよ」
ノーラ「いいの」
ノーラ、ペンダントのロケットを開こうとするが、硬くて開かない。
ノーラ「まっ、いいか」
ノーラ、楽しそうに首にペンダントをかける。
―ACT2 END―
―ACT3―
○ ハンプトンホテル・駐車場前
ホークが乗るタクシーが立ち止まる。
○ 同・ロビー
入口の自動ドアが開く。
駆け込んでくるホーク。
フロントへ行き、従業員の男に話しかける。
フロントから数メートル離れた場所にあるエレベータの扉が開く。
エレベータから降りるリッツとノーラ。
腕組みしながら楽しそうに歩き出す二人。
リッツ、右手にスーツケースを持っている。
ホーク、二人に気づき、近くの柱の影に身を隠す。
突然、立ち止まるリッツ。
つられてノーラも足を止める。
ノーラ「どうかしたの?」
リッツ「部屋に忘れ物をした。ちょっと待ってて」
ノーラ「私も行く」
リッツ「すぐ戻るから」
慌てて、エレベータのほうへ向かうリッツ。
○ 同・5F客室
部屋に駆け込んでくるリッツ。
ベッドの上にスーツケースを置く。
ケースを開ける。中には小型爆弾が入っている。
タイマーをセットするリッツ。
ホークの声「こんなところで花火大会か?」
声のほうに顔を向けるリッツ。
ホークが銃を向け立っている。
ホーク「俺のことを知っているようだな」
撃鉄を起こすホーク。
ホーク「アークエンジェルはどこだ?」
リッツ「爆弾はセット済みだ。5分後にこのホテルは、瓦礫の山になる」
立ち上がり、ほくそ笑むリッツ。
リッツ「どうする?俺と一緒に灰になる覚悟はあるのか?」
ホーク「ノーラも灰にする気か?」
焦るリッツ。
扉が開く音がする。駆け込んでくるノーラ。
ノーラ「もうやめて」
ノーラを見つめるリッツ。
ホークの隣に立つノーラ。
ノーラ「ごめんなさいホーク。ここに来る前にリッツに連絡したの。ここにあなた達を連れて行くように言われて」
リッツ「やめろノーラ!」
リッツを見つめるノーラ。
ノーラ「あなたを助けたかったの。だからホークに嘘をついてここまで来たのよ」
ホーク、リッツを殴り飛ばす。
床に倒れるリッツ。
爆弾のOFFスイッチを押すホーク。 タイマーが止まる。
リッツ「こうするしか方法はなかった。でもこれでもう終わりだ」
後ろ歩きを始めるリッツ。
リッツ「規則なんだノーラ」
ノーラ「リッツ駄目。そんなの間違ってる」
リッツ「アークエンジェルは、ここにはいない。白い狼は、必ずやり遂げる」
踵を返し、ベランダに向かって走り出すリッツ。
○ ホテル・外観
5Fの一室の窓を突き破るリッツ。
そのまま、真っ逆さまに地上に落下する。
割れた窓から下を覗くホークとノーラ。
地上でうつ伏せで倒れているリッツが見える。
リッツを見つめ、泣き叫ぶノーラ。
ホーク、ノーラを抱きしめる。
○ エアーウルフ・コクピット
スピーカーからホークの声が聞こえる。
ホークの声「俺だ。今どこにいる」
ドミニク「空の上からアラバマ市内を観光中」
ホークの声「リッツが死んだ。アークエンジェルは、ここにはいない。どうやら俺達ははめられたようだ」
ドミニク「一体どういうことだ?」
アラーム音が鳴る。
フライトシステムのレーダー画面に反応が見られる。
ケイトリン「5時の方向から3つの飛行物体が急速に接近中」
モニターにサーチ画面が映る。しばらくして機種を特定。
ケイトリン「3機ともAH―1Wよ」
ホークに話しかけるドミニク。
ドミニク「おまえの言った通り。敵はエアーウルフのことも知っているみたいだ。こんなところで戦闘になったらどえらいことになるから別の場所に移動する」
ホークの声「大丈夫か、ドミニク!」
ドミニク「まっかせなさい」
ケイトリン「すぐに戻ってくるわ」
レバーの『TURBO』のボタンを押す ドミニク。電子音が鳴る。
○ エアーウルフのツインタービンが真っ赤な炎を上げる
爆音を上げながら超高速で南の方角に飛んで行くエアーウルフ。
○ ホテルから離れ飛び去っていくエアーウルフ
○ アラバマ州・シェルビー郡上空
横一列になって飛行している3機のAH―1W。中央に金色、右に赤、左に黒。
○ AH―1W(金)ヘリ・コクピット内
迷彩服姿の男が2人乗っている。
後席で操縦桿を握る男レイ・オルグマン。
前席に座るギプル。レーダー画面を見ている。
ギプル「ターゲットが物凄いスピードで南下中。メキシコ湾に向かっている」
レイ「サメの餌にしてやるか」
スピードを速めるレイ。
○ CIA・情報室
巨大なスクリーンの前に立っているセラフィ。
スクリーンにリッツの写真と、彼に関する情報が映し出される。
電話の受話器を持ち話しているセラフィ。
セラフィ「リッツ・デュバルは本当の名前じゃない。彼の名は、スティーブ・レジソン。2年前まで空軍で戦闘機の整備の任務についていた男よ」
○ ハンプトンホテル・ロビー
公衆電話の前に立つホーク。
受話器を持ちセラフィと話している。
ホーク「辞めた理由は?」
セラフィの声「戦闘機の技術情報を横流しした罪で不名誉除隊になっている。その時、彼が情報を売っていたは相手は、東南アジアを拠点とするテロリスト集団「白い狼」よ」
ホーク「白い狼?」
○ CIA・情報室
セラフィ「第二次大戦時中に活動していた赤軍パルチザンの生まれ変わりとも言われているグループよ。世界中から退役軍人達を集めて、
大量破壊兵器を小規模なテロリストグループにばら捌き、東南アジア地域を中心にテロ活動を続けている。リーダーの正体は、まだ確認されていない」
ホークの声「リッツが死ぬ前に白い狼のことを言っていた。彼もそのグループの一員だったのか」
セラフィ「間違いないわね」
ホークの声「ドミニク達にもこの事を知らせてやってくれ」
セラフィ「わかった」
○ ハンプトンホテル・ロビー
受話器を置くホーク。
ガラス張りの壁のそばにある椅子に座っているノーラ。
ノーラの前に立つホーク。
ホーク「リッツは、元軍人だ。本当の名はスティーブ・レジソン」
ノーラ「ただの放浪人じゃないことは、薄々気づいてたけど、軍人だったなんて・・・」
ホーク「彼は、誰かと会っていなかったか?何でもいい思い出してくれ」
ノーラ「あなたと白いスーツを着た人を撮影した後、その写真をリッツに・・・」
ノーラ、何かを思い出した様子。
ホーク「どうした?」
ノーラ「そう言えば、あの時、リッツは、私が働いていたレストランに男の人を連れてきていたわ」
ホーク「どんな男だ?」
ノーラ「50前後で、長身で体格が良くて・・・そうだ。右のこめかみに大きな傷があって・・・それと・・・」
ノーラ、ペンダントをはずし、ホークに手渡す。
ノーラ「さっきリッツからもらったの。ロケットの中に何かが入ってると思うんだけど、硬くて開かないの」
怪訝な表情を浮かべるホーク。
○ メキシコ湾
狼の鳴き声のような爆音を轟かせながら海上の空を飛ぶエアーウルフ。
○ エアーウルフ・コクピット
フライトシステムのレーダー画面。
敵機を示す3つ丸い点滅が中心に移動している。
ケイトリン「もうすぐ来るわよ」
ドミニク「さっさと片付けてしまおう。戦闘態勢だ」
○ エアーウルフの両翼先端の格納庫から30ミリ機銃と40ミリキャノン砲が出る
○ メキシコ湾
並列で飛んでいる3機のAH―1W。
レイの声「オルグ、ターゲットの背後に回り込め。ハンク、おまえは、俺達の援護を頼む」
オルグとハンクの声「了解」
AH―1W(赤)、急減速し、AH―1W(金)の後ろにつく。
AH―1W(黒)、スピードを上げて左の方角に飛んで行く。
○ エアーウルフ・コクピット
レーダー画面。敵機を示す3つの丸い点滅が分散する。
ケイトリン「三機が分散した。前方から二機のヘリがこっちに接近中よ」
前方を見つめるドミニク。
ドミニク「よーし。目視で確認できた」
○ メキシコ湾上空
接近するエアーウルフとAH―1W(金)。
AH―1W(金)の前部に装備されているM197 3砲身20mm機関砲が火を吹く。
エアーウルフのボディに激しく当たる弾丸。火花を散らしている。
すれ違うエアーウルフとAH―1W(金)。
AH―1W(黒)がエアーウルフの後方、1.2km地点まで迫る。
エアーウルフの前方に接近するAH―1W(赤)。
レッドのAH―1W、サイドワインダー空対空ミサイルを発射。
○ エアーウルフ・コクピット
フライトシステムのモニター。ミサイルを識別している。
ミサイルが特定される。
ケイトリン「サイドワインダーよ」
ドミニク「きやがったな」
ドミニク、レバーを倒す。
○ メキシコ湾・上空
急降下するエアーウルフ。スレスレでミサイルを回避する。
サイドワインダーは、エアーウルフの後方にいたAH―1W(黒)に命中。
空中で爆発し、粉々になるAH―1W(黒)。
左旋回しているAH―1W(金)。
○ AH―1W(金)ヘリ・コクピット内
ギプル「ハンクのヘリがやられた」
レイ「なめやがって」
レイ、ミサイルのボタンを押す。
○ メキシコ湾・上空
AH―1W(金)からハイドラ70ロケット弾が発射。
ロケット弾は、瞬く間に低空を飛行しているエアーウルフの後方に接近する。
○ エアーウルフ・コクピット
モニターを確認するケイトリン。
ケイトリン「アクティブレーダー式の誘導ロケット弾だわ」
ドミニク「なんのこれしき」
ドミニク、レバーの『TURBO』のボタンを押す。
○ メキシコ湾・上空
エアーウルフのツインタービンが真っ赤な炎を上げる。
超音速で海面スレスレを飛び、ミサイルを引きつけるエアーウルフ。
チャフを発射すると同時に垂直に急上昇する。
チャフに引き寄せられるロケット弾。海に落下し爆発する。
大きく左旋回するエアーウルフ。AH―1W(赤)の後方につく。
○ エアーウルフの機体下部からADFポッドランチャーが出る
ポッドランチャーから発射されるレッドアイ空対空ミサイル。
ミサイルは、AH―1W(赤)に命中。
爆発し、炎を上げながら落下していく。
○ メキシコ湾・上空
エアーウルフを追うAH―1W(金)。
AH―1W(金)、サイドワインダーを二発続けて発射する。
ターボスイッチの電子音。ツインタービンが再び真っ赤な炎を上げる。
超高速で前進するエアーウルフ。
エアーウルフを追尾するミサイル。
エアーウルフ、機体を傾けて大きく右旋回し、ミサイルを回避する。
ミサイルは、放物線を描きながら海に落ち、爆発する
○ エアーウルフ・コクピット
ドミニク「もう一発はどこに行った?」
モニターを見つめるケイトリン。
ケイトリン「大変。航行中の石油タンカーに向かってる」
ドミニク「こりゃまずい」
○ メキシコ湾・上空
減速、旋回し、再びターボで飛行するエアーウルフ。
海上を進む石油タンカーに急接近するミサイル。
タンカーの上空にやってくるエアーウルフ。ミサイルがエアーウルフを追い始める。
サンバースト(太陽弾)を発射。
サイドワインダーがサンバーストに引きつけられ、空中で爆発する。
○ AH―1W(金)ヘリ・コクピット内
レーダーを確認するギプル。
ギプル「ターゲットが消えたぞ」
レイ「そんな馬鹿な」
ギプル「本当だ。何の反応も見られない」
レイ「いや、待て。後ろだ。高速で接近している」
レイ、右方向を見つめる。
真横に並んで飛んでいるエアーウルフが見える。
エアーウルフのポッドランチャーが回転し、AH―1W(金)に狙いを定める。
通信用のスピーカーからドミニクの声が聞こえる。
ドミニクの声「聞こえるか?少しでも武器をこっちに向けたら、ズドーンと行くぞ。一時休戦して話し合おうじゃないか」
慌てるギプル。
ドミニクの声「おまえらが噂の白い狼か?戦闘機を奪った目的はなんだ?正直に答えたら命だけは、助けてやるぞ」
ギプル「どうするんだレイ」
レイ「短い付き合いだったが楽しかったぜギプル。覚悟を決めろ」
頷くギプル。
レイ、レバーを右に傾ける。
○ メキシコ湾・上空
機体を右に傾けて、エアーウルフに特攻するAH―1W(金)。
○ エアーウルフ・コクピット
ケイトリン「体当たりしてくるわ。どうするの?ドミニク」
ドミニク「残念だ・・・」
ドミニク、ヘルメットのバイザーを下ろす。
バイザーにターゲット補足を示す四角い表示が映し出される。
ドミニク、レバーの発射ボタンを押す。
○ ポッドランチャーから発射されるレッド
アイ・ミサイル
ミサイルは、AH―1W(金)に命中。
粉々に砕け散る機体。激しい炎を上げて、落下していく。
―ACT3 END―
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