■ 超音速攻撃ヘリ新エアウルフU〜ミレニアムエピソード〜指令・ブラックウルフを撃墜せよ! 

 

<後編11> 〜決戦前夜〜

 

ウォルターとアルバートはその施設のエレベータ-を使い、地下5階へと下りて行った。二人は暗い通路を歩き、その先に光が見える部屋へ見つけ、そこへ向かった。室内に入ると、目の前にベネズエルが立ち、奥の方ではホーク達が待ち構えていた。

ベネズエル「待ってたぞ、ウォルター。君が探していた人物とは彼なのか?」

ウォルター「そうだ。アルバート・ホーキンス、通称アルだ」

ベネズエルはアルバートの方をじっと見て、再びウォルターに話し掛けた。

ベネズエル「どうもエンジニアと言うタイプには見えんが、大丈夫なのか?」

即座にアルバートは声を上げた。

アルバート「あんたこそ一端の紳士を気取っているようだが、CIAの副部長には見えんな」

ベネズエル「なんだと!」

ウォルター「落ち着けよ。アル、彼はベネズエルだ」

アルバート「変な名前だな。あんたほんとにその名前気に入っているのか?」

ベネズエル「好きでつけているわけじゃない。色々事情があるんだ」

アルバート「他のメンバーも紹介してくれるよ、ウォルター」

ウォルターはアルバートをホーク達の前に連れて行き紹介を始めた。

アルバート「皆よろしくな。ところで例のヘリってのは・・・」

ベネズエルが腕を上げ人差し指を立てた。指先の方向にスーパーエアウルフが止まっていた。

アルバートは口笛をピューと吹き、

アルバート「化けもんだなぁこいつは。こんな派手なデザイン誰が考えたんだ?」

ベネズエル「私だよ」

アルバートは振り返り、後ろに立つベネズエルを見つめた。

アルバート「あんたが作ったのか?役人っぽい顔して信じられねぇな」

ベネズエル「君は何かにつけて一言多いな・・・」

スーパーエアウルフの周囲にホーク達が集まった。

ベネズエル「プログラムはすでに完成した。後は・・・」

アルバートが口を挟んだ。

アルバート「武器が必要なんだろ?俺がウォルターのダチで良かったな。あんたら感謝しろよ」

ウォルター「彼に全てを任せようと思う」

ベネズエル「お前が見込んだ男だ。我々は信じる事しかできない。それにこのヘリの事を教えてしまったんだ。今更帰すわけにはいかないよ」

アルバート「帰りやしないさ。このヘリで死んだ友人達の仇討ちをしなきゃならないからな。それじゃあ、トラックに積んでいる武器を降ろすとするかな。悪いがこの中から2、3人程力を貸してくれ」

ウォルターとアルバートはホークとジョンを連れ、トラックのところへ向かった。アルバートはトラックのコンテナの扉を開け、中に入った。コンテナ内に灯りがつくと、7、8個の木製のケースが照らし出された。4人は2人1組でそのケースを運び始めた。

数十分かけてケースは全て地下5階の部屋へ運び込まれた。アルバートは一つずつ武器の説明を始めた。

アルバート「まず1つ目は戦闘機のスホーイSU−27『ブランカー』の30mmGSH-30-1機関砲だ。2つ目はアパッチ用のロケット弾、新型のRM−60ミサイルポッド、ファイバーグラスランチャー、ロシア型のキャラスティック・メガキャノン、レーダー探知誘導ミサイルに、ギガプラスキャノンだ。最後はステルス用の空対空ミサイル全12発、ざっとこんなもんだ」

アークエンジェルは武器を見ながら、

アークエンジェル「全て軍用の武器だが、なぜ君がこんなものを持っている?」

アルバート「俺は武器商人だぜ。これぐらい持ってても不思議じゃないだろ?」

ベネズエル「アルバート、とにかく至急武器を取りつけてくれ」

アルバート「そう焦んなって。ウォルター、手伝ってくれ」

 

ウォルターとアルバートは夜を徹して武器の取り付け作業を続けた。ホーク達はすでに横になり、眠りに着いていた。2人はまず減ヘリの機体の下に武器を取り付けていた。

アルバート「なぁ、ウォルター、今回の任務は重荷じゃないか?」

ウォルター「何でそんなこと言うんだ?」

アルバート「この任務に失敗すれば、世界はへんてこんりんな男の脅威にさらされ、俺達はあの世行き確定だ。覚悟はできているのか?」

ウォルター「当然だろ。おまえはどうなんだ?」

アルバート「正直命を投げ出すのは怖いが、世界が滅びちゃあ元も子もないしな。悪い、レンチを取ってくれ」

ウォルターは工具箱から長いレンチを取り出し、アルバートに手渡した。アルバートはそれを使って機体と武器を接続するボルトを締め始めた。

ウォルター「アルのおかげで何とかこのヘリを飛ばせそうだ」

アルバート「親父の後を受け継いで俺も武器商人の道を選んだ。武器は俺にとって大事なコレクションだ。ほんと言うと、単なる人殺しの道具には使われたくない」

ウォルター「わかってるよ。俺だってできればこんな物騒な兵器は使いたくないさ」

アルバート「物騒は余計だぞ。俺達を守ってくれる大切な武器なんだぞ」

ウォルター「悪い」

2人は次の作業を取り掛かった。作業は朝まで続き、二人が眠りについたのはAM4:00頃だった。朝早くベネズエルが起きて、スーパーエアウルフを見に行った。ベネズエルはそれを見て驚いた。スーパーエアウルフは武器が取り付けられ、完全武装のヘリと変わっていた。ヘリの左右には30mm+40mm機関砲、機体の下にはスーパースライクキャノン(ギガ・ブラストランチャー)、さらに2つのダブル電動ガン(キャラスティック・メガランチャー)が装備されていた。

ベネズエル「2人でここまでやるとは・・・恐れ入った・・・」

 

AM8:00。ホーク達は目覚め、全員がスーパーエアウルフの前に集結した。ベネズエルがウォルター達にヘリの説明を始めた。

ベネズエル「では、このスーパーエアウルフの機能について話す。スーパーエアウルフは全体にステルス製の装甲と金属が使用されている。だからシステムを作動せず、レーダーに捕まる事は万に一つとしてない。推進力はざっと335ノットのスピードを出せる。全ターボ使用で最高速度マッハ5で飛べる。武器は全20種類。何か質問はあるかな?」

ウォルターがベネズエルに話し出した。

ウォルター「ブラックウルフにはレーザーが装備されている。このヘリはレーザーに耐えられるのか?」

ベネズエル「心配無用。新兵器のパワードスーツを使えばいい」

アルバート「パワードスーツ?」

ベネズエル「向こうがレーザーなら、こちらはシールドを使う。パワードスーツは粒子の放出により、見えない壁を作り出し、レーザーの他にもマシンガンやミサイルにも耐えられる。パワードスーツは機体全体を覆う設計になっているので、ローターにその粒子が当たる事はない。そしてもう一つは新開発のスライド式防弾シールドがある。これはフロントガラスだけに取り付けられている。ミサイルの直撃にも耐えられる」

セント・ジョンが話し出した。

ジョン「なぜ2つもシールドをつけたんだ?パワードスーツだけでいいじゃないか」

ベネズエル「パワードスーツはかなりの出力が必要で、そう長くは使えん。だから、防弾シールドを予備的に装備したんだ」

ウォルター「本当にそのパワードスーツでブラックウルフのレーザーからヘリを守れるのか?」

ベネズエル「疑り深い奴だ。じゃあ、実験しよう」

ベネズエルは空き缶をスーパーエアウルフの羽の上に立てて置いた。

ベネズエル「ジョン、悪いがあの空き缶を銃で撃ってみてくれ」

ジョンは腰のホルダーから銃を抜き、空き缶に向けて撃った。羽の上の空き缶は音を立てて下に落ちた。

ウォルター「ものの見事に缶に命中したぞ。一体何がしたかったんだ?」

ベネズエルは空き缶を羽の上に戻しこう言った。

ベネズエル「まだパワードスーツは出していない。次が本番だ」

 

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