■ 超音速攻撃ヘリ新エアウルフU〜ミレニアムエピソード〜指令・ブラックウルフを撃墜せよ! ■ <前編5> 〜誕生秘話その1〜 2日後、アメリカワシントンDCホワイトハウス時間AM9:00。二階の部屋の中でマーティス・ダニエルは、電話を取り相手に話していた。 マーティス「わかりました・・・では後ほど」 マーティスは受話器を置いた。彼は黒のスーツを身につけていた。年齢50。彼がメモを取っていると、彼の背後にある木の扉が突然開いた。マーティスはとっさにスーツの中から銃を取り出し、扉の方に向けた。 「大統領、何なさっているのですか?」 大統領とは、マーティスのことだった。彼は、サッと銃をしまった。 マーティス「クリスか?驚かすなよな。ノックをしろノックを。で、何のようだ?朝の会議に出られないものがいるのか?」 クリス・モーガン。年齢は60歳。 クリス「CIAのダークエンジェルから電話がありまして・・・」 マーティス「CIAが私に何の用があるんだ?ダークエンジェル・・・聞き覚えのある名前だ・・・」 マーティスが腕を組むと、クリスが話し始めた。 クリス「一度お会いした事があるでしょう?たしか9年程前にここへ来て、ある計画を進めるよう頼みに来た・・・」 マーティス「ああ・・・思い出した。確か・・・ブロックウルフとか・・・」 クリス「ブラックウルフ計画です」 マーティス「ジョークだよ。それで?」 クリス「確か大統領はあの計画の停止命令を出されたのでは。危険が大きすぎると・・・」 マーティスは、クリスの方に向き、こう話した。 マーティス「ああ、そう命令した。だからなんなんだ?はっきり言え、クリス」 クリス「その・・・ダークエンジェルが、ブラックウルフを何者かに盗まれたと言ってきまして・・・」 マーティス「ブラックウルフが盗まれた?私は作らせた覚えはないぞ」 クリス「まだ詳しい事はわかりませんが、盗んだパイロットは2名で・・・テストパイロットが殺されたとか・・・」 マーティス「クリス、至急ダークエンジェルをここに呼び出すんだ」 クリスは部屋から出て行った。ダークエンジェルらがホワイトハウスに着いたのは、それから一時間後のことだった。黒のリムジンが門を潜り、ホワイトハウスの前に立ち止まった。中からダークエンジェルと、ウォルターの2人が降りて、横並びに玄関に向かって歩き出した。ダークエンジェルはウォルターに話し出した。 ダークエンジェル「ホワイトハウスは初めてか?ウォルター」 ウォルター「ああ、できればアルフレッド達と一緒にここへ来たかった」 ダークエンジェル「彼らは運がなかったな・・・」 ウォルター「俺も軍を辞めさせられた」 ダークエンジェル「生きてるだけ、まだマシだ」 ウォルター「あんたも50億ドルのヘリを盗まれた責任をとって首を切られるんじゃないか?」 ダークエンジェル「その可能性はあるな。まぁそれも止むをえんな」 2人は、ホワイトハウスの中に進む。中はまるで高級ホテルのように広く、壁は白色でいたるところに金が飾られた。2人の目の前には広く長い廊下があり、足元には赤い絨毯が奥のほうまで伸びていた。2人の行く先にクリスが立っていた。クリスは2人を案内し、ある部屋の前で立ち止まった。先にクリスが部屋は入った。 クリス「大統領、CIAダークエンジェルと、パイロットを連れて参りました」 クリスが入った部屋は会議室で、長いテーブルの周りには数人の大臣が座っていた。マーティスは奥の座席に座っていた。 マーティス「すぐ終わるから、外で待つように言ってくれ」 クリスは部屋から出て行った。それからマーティスによる会議が終わったのは5分後の事だった。マーティスは部屋を出て、外にいた彼らと一緒に自分の部屋へ向かった。ダークエンジェルとウォルターは、マーティスとクリスの後ろを歩いていた。しばらくして2人は小声で会話を始めた。 ウォルター「俺達死刑にでもなりそうな雰囲気だな」 ダークエンジェル「冗談はよせ。私達は裁判を受けに来たわけじゃないんだぞ」 ウォルター「極秘で作ったヘリだったんだろ?50億ドルだぜ」 ダークエンジェル「大統領の前だ。聞こえたらどうする?」 クリスが2人の方に向き、 クリス「おい、そこの2人、ヒソヒソ話をするな」 ウォルター、さらにダークエンジェルに言葉を浴びせ、 ウォルター「食事でも出してくれりゃあいいがな。できれば高級品のキャビアでも食べてみたいぜ」 ダークエンジェル「・・・・」 茶色い扉が開くと、二人は、中へ入る。目の前にテーブルがあり、周囲には、椅子が5、6個並んでいた。ウォルターは、壁の上に並ぶ歴代大統領の映った写真を見渡しダークエンジェルに話し出した。 ウォルター「なぁ、あれってケネディ大統領だろ?あれは、リンカーンだ。すげえな」 ダークエンジェル「あまり見回してるとよそ者扱いされるぞ」 ウォルター「あれって、ダクス・ダニエル?」 マーティスは自分の机である書類を整理しながらウォルターに話し出した。 マーティス「いい部屋だろ?普通、一般人は入れないんだが、今回は特別だ。君か、テストパイロットは?」 ウォルター「ラクス・ダニエルは確か、10年程前に1度俺のいた軍に来ましたよ。いい人だった」 マーティス「ほう、父を知っているとは・・・君はどこの軍かね?」 ウォルター「父ってことは、あなたがマーティス・ダニエル?私はレッドフォール空軍基地に所属していました」 マーティス「そんなに硬くならず、普段通りでいいんだ。私は堅苦しい事が嫌いでね」 ダークエンジェルはマーティスに喋りかけた。 ダークエンジェル「君の父上は元気かね?10年程前に1度会ったのを記憶しているが、あれ以来会っていなくて」 マーティス「亡くなったよ。レッドフォール空軍基地に行った帰りに飛行機事故にあってね」 ダークエンジェル「それは気の毒に・・・」 マーティス「とにかく二人はそこに座ってくれ。本題に進もう。クリス、彼らに何か飲み物を・・・」 2人は、両隣の座席に着いた。 マーティス「確か私は9年前にブラックウルフ計画の停止命令を出したはずだが、君はその約束を破り極秘にあのヘリを作った。理由はなんだ?」 ダークエンジェル「・・・今までのヘリは飛行性に重点が置かれて、攻撃性が足りなかった。だから私はアパッチを超えるヘリを次世代のヘリとして生み出しておきたかったんです」 マーティス「だが、その計画は36年前に父がCIAに依頼し、20億ドルの開発費をかけて完成させたが、そのヘリも作ってまもなく何者かに盗まれたんだ。だから私は、今回の計画には乗る気がなかったんだ」 ウォルターが2人の話しに割って入り、 ウォルター「ちょっと待って・・・その36年前の計画って何のことです?今回の事件と何か関わりがあるんですか?」 マーティス「君の名前をまだ聞いてなかったな」 ウォルター「ウォルター、ウォルター・クラント元少佐です」 マーティス「ウォルター・・・いい名だ。他のパイロットが殺されたそうだが・・・」 ウォルター「友人のアルフレッド・キルメルと、フェリック・モーランが亡くなりました・・・」 マーティス「残念だったな。ダークエンジェル、彼にあの話をしてもいいかな?」 ダークエンジェルは、頭を下げ、コクリと頷いた。 マーティス「いいかね、ウォルター君。話は36年前に遡る。CIAからアークエンジェルと言う男がここに訪ねてきて、当時大統領だった私の父にある計画書を手渡したんだ。それが『AIRWOLF』計画の始まりだった」 ウォルター「『AIRWOLF』計画?」 マーティス「今ダークエンジェルが言った攻撃用ヘリコプターの一種だ。超音速で飛べる最初のヘリだった」 ウォルター「ヘリが超音速で飛ぶ?ありえないことだ」 マーティス「私も見たことはないが、でも現にブラックウルフは、計画上、そのエアーウルフの能力を遥に超える戦闘ヘリだと聞いている」 ウォルターはダークエンジェルに話しかけ、 ウォルター「そこまであんたは教えてくれなかったな。ヘリの名前も・・・」 ダークエンジェル「ブラックウルフはトップシークレットだった。君がヘリに乗り込むまで、それを伏せとく必要があったからだ」 マーティスは、ダークエンジェルに喋りだし、 マーティス「それはさておき、問題はあのヘリをどうするかだが・・・」 |
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