60セカンズ
GONE IN SIXTY SECONDS(2000年/アメリカ)
製作 ジョリー・ブラッカイマー
監督 ドミニク・セナ
出演 ニコラス・ケイジ(メンフィス)
アンジェリーナ・ジョリー(サラ)
ジョバンニ・リビージ(キップ)
デルロイ・リンドー(キャッスルベック)
クリストファー・エクルストン/他
90年代はニコラスの時代だ!と言わんばかりに彼の勢いはまだまだ止まらない。今回は、弟の命を賭けて24時間以内に50台の車を盗み出す車ドロの良き兄貴が活躍するお話。ワルだけどなぜか憎めないキャラクターは、やはりニコラス独特のはまり役だろうか。原題の意味は、「60秒でいかなる車も盗み出す」。しかも狙いは、超高級車ばかり。仲間達と共に最新ハイテクノロジー技術を駆使して鮮やかな手際で車を盗み出していく。マーキュリー・カスタム、メルセデス、ポルシェ、そして、ニコラス演じるメンフィスが、捕まえることのできない伝説の一角獣『ユニコーン』と呼び、「エレノア」と称する67年型シェルビー・マスタング。エレノアの高速高架橋での豪快なジャンプシーンは、やはり『ナイトライダー』第19回でナイト2000が見せた橋上での大ジャンプシーンの光景が蘇ります。実はこの映画の中にもKITTと同じ型の赤いトランザムが出ていたのですが、あっけなくスクラップにされていたのがちと辛かった。そう言えば、『L.A大捜査線マーシャル・ロー』第17回でもトランザムが潰されていたなぁ・・・。
ニューヨーク街での豪快なカーチェイス、そして石油コンビナート場での壮絶なクラッシュシーンも豪快で、破裂したガスタンクが暴れ回り、パトカーに襲いかかったりするのもアメリカ映画ならではの派手さのある演出ですね。この映画は、1974年に公開された『バニシング・イン・60』という映画のリメイク版で、こちらもカーチェイスシーンは、かなり過激。登場する車の台数もこの映画とはけた違いのスケールなので、ぜひこちらもチェックを。
パトカーから逃走している最中に、エンジンが止まりそうになったエレノアに必死に話しかけるメンフィスの姿は、マイケルがKITTに話しかける場面とオーバーラップしますね。そう言えば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にもそんな場面がありました。エレノアの唯一の機能は、「ニトロ」ボタンを使ったスピードアップ。一気に255kmまで加速し爆走する場面は爽快です。
ストーリーは、かなりシンプルでしたが、車用語を使ったユニークな会話回しは、なかなか笑えました。この映画と比較できるものに『ノー・マンズ・ランド』があります。これもまた車ドロを追いつめるため、若い警官が窃盗団に潜入し、彼らの悪事を暴き出そうとするお話しなんですが、警官がグループのリーダーの若い車ドロと行動を共にするうち、二人に奇妙な友情が芽生えていく。この映画のラストで見せるメンフィスと刑事の関係がそれを彷彿させます。『ノー・マンズ・ランド』の中でも当時の様々なスポーツカーが登場し、迫力ある華麗な走りを見せてくれます。アンジェリーナ・ジョリーも存在感のある女車ドロを演じていましたが、始め見たときはキャメロン・ディアスと勘違いしてしまいました・・・。
余談ですが、最近のビデオの予告編は長いなぁ・・・。本編を見るのに20分も待たされるとは思わなかった・・・。
高級車専門の車ドロとして名を馳せたメンフィス。だが、6年前に警察に捕まり、家業を引退した。真面目に働いていたある日の事、メンフィスに昔の仲間から一本の電話が入る。現役で車ドロをしている弟のキップが仕事をミスし、依頼人のレイモンドから殺されそうになっていた。メンフィスは、キップを助けるため、レイモンドとある約束を取り交わす。それは、一日で50台の車を盗み出すことだった・・・。