バトルドラゴン 殺人レーザー兵器奪還!!
LASER MISSION(1989年/西ドイツ)
監督 ビュー・デイビス
出演 ブランドン・リー(マイケル・ゴールド)
アーネスト・ボーグナイン(ブラウン教授)
デビー・モナハン(アリッサ)
グラハム・クラーク(カラシニコフ大佐)/他
ブルース・リーの息子ブランドン・リー主演のアクション映画。1989年に西ドイツで製作されており、つまり、ベルリンの壁崩壊直前に撮影された作品のようです。ブランドン・リーは、1987年に『ファイアー・ドラゴン』で映画デビューし、本作は、2作目の主演映画となる。共演は、『ポセイドン・アドベンチャー』やテレビドラマ『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』のドミニクでもお馴染みのアーネスト・ボーグナイン。エアーウルフが終了してから3年ぐらいしか経っていないので、ボーグナインの風貌は、ドミニクを演じていた頃とほぼ同じ。
ボーグナインが演じるブラウン教授が開発しようとしている殺人レーザー兵器を狙うKGB。教授を保護するため、ブランドン演じるCIAの諜報員マイケル・ゴールドは、キューバへ向かい教授と接触する。しかし、交渉中に二人は何者かに襲われ、教授が拉致されてしまう。マイケルは、アフリカの某国に向かい、現地で獣医をする教授の娘アリッサと共に教授の救出と、レーザー兵器に必要な世界最大のダイヤモンドを奪還するため敵地に乗り込む…と言うのが本作の内容。原題は、「LASER MISSION」となっており、日本題のサブタイトルにも「殺人レーザー兵器奪還!!」とあるが、レーザー兵器は全く出てこず、劇中、戦闘で使用される展開もなかった。
当時ソビエトに存在したKGB(ソ連国家保安委員会)が敵として描かれており、冷戦時代の終戦間近の空気も漂っていたが、89年に作られたわりには、やや地味な印象を受けた。パワフルな動きと身のこなしで敵を軽快に倒していくブランドンの姿は、父親のブルースほどの特徴はなく、インパクトも薄いが、時折ブルースを彷彿とさせるところもある。また、格闘シーンでパンチしている時に鳴る「バシッ!バシッ!」の効果音がブルース映画の効果音を思わせる。日本題のバトルドラゴンのタイトルのごとく、格闘シーンがたくさん詰め込まれているのかと思いきや、敵の基地内のシーンで、はちまきを巻いたベストキッド風の若い格闘家と戦ったりもしているが、クライマックスの鉱山のシーンで早々に撃たれてしまい、これと言った格闘シーンもなく、いまいち盛り上がらず。相棒のアリッサにおいしいところを持っていかれた感じに見えた。ラストは、ボーグナインもドミニクのようにそこそこの活躍を見せていた。全体的にテンポはいまいちだが、あの時代によくあったB級戦争アクションものと言う感じでとても懐かしい癖のある映画だった。今となっては、在りし日のブランドン&ボーグナインが共演している貴重な作品です。
ブランドンは、93年に公開された『クロウ/飛翔伝説』の撮影中の事故で、若くして謎の死を遂げてしまったが、もし生きていたら、今頃は、ハリウッドでアクションスターとして名を連ね、スタローンの『エクスペンダブルズ』にも呼ばれていたかもしれないですね。買ったDVDの画質が昔のVHS並みのクオリティだったのでやたら古く見えたが、たまには、こういう画質で見るのも良い感じ(笑)。
世界最大のダイヤモンドが何者かに強奪され、殺人レーザー兵器の開発者のブラウン教授が拉致された。CIAの諜報員マイケル・ゴールドは、アフリカ某国に潜入し、教授の娘アリッサと共にKGBの基地に乗り込み、教授の救出並びにダイヤモンドの奪還をめざす。