ファイヤーフォックス

FIREFOX(1982年/アメリカ)

監督 クリント・イーストウッド

出演 クリント・イーストウッド(ガント)
   デビッド・ハフマン(バックホルツ)
   フレディ・ジョーンズ(ケネス)
   ウォーレン・クラーク(バベル)
   ケネス・コリー(ロンタースキー)/他


1982年と言えば、その同じ年にアメリカで『ナイトライダー』始まった年。その後、『ブルーサンダー』『エアーウルフ』『アイアンイーグル』『トップガン』など、いわゆるスカイアクションものの映画が次々と生み出されていくわけですが、この映画は、まさにそれらハイテクマシーンが活躍するアクション映画の先駆けとなった作品と言っても過言ではないでしょう。 アメリカとソビエトが東西冷戦下なんて言ってもピンと来ない人も多いでしょうが、その崩壊してしまったソビエト軍がなんとマッハ5のスピードで飛行できる思考誘導型の最新鋭戦闘機ミグ31、コードネーム「ファイヤーフォックス」を開発してしまう。この戦闘機は、赤外線探知装置、そして思考制御装置も兼ねそろえ、指一つも使うことなく、攻撃できる。ヘルメットがパイロットの脳波を読み取り、コンピュータ制御で武器を操るのです。もちろんレーダーの探知などされる事もない。

こんな事を書くとエアーウルフのローキー(第24回「超音速攻撃ヘリ・エアーウルフスペシャルU」(後半)参照)や、フォーチュン・テラー(第30回「対決シーハリア戦闘機!!CIA降下部隊城砦へ突入せよ」を参照)を思い出してしまいますが、この兵器はそれ以上のものだと言えるかも。その情報を嗅ぎ付けたアメリカ諸外国は、その戦闘機を盗み取ろうとするわけです。それを盗み出そうとするのが、クリント・イーストウッド演じる元米軍のパイロットのミッチェル・ガント。彼は、ベトナム戦争で捕虜にされた時の苦い経験を抱えながら、今もその光景に苛まれ精神不安定な状態。ここまでの設定を聞くと、まるで「エアーウルフ」で、モフェットに奪われたエアーウルフをホーク達が奪還する場面を過ぎらしたりもするのです。ガントがホーク、東側のパラノビッチ博士が、モフェッドと見ても何の違和感もなかったりして・・・。

1982年当時のソビエトと言えば、それこそ謎めいた不気味な怪しさを秘めた超秘密国家。そこへ主人公達が秘密裏に入国して、戦闘機を盗み出そうとするのだから、ただ事じゃあない。おおよそ前半部は、ガント達が別人に成りすまして、ソビエトに潜り込む正真正銘のスパイ映画的な場面が延々と描かれます。当時のKGBの様子も淡々と描かれ、重たい空気がのしかかる前半部から、後半部に入ると、映画のイメージは、一気にハイテクスカイアクションムービーの色に変貌を遂げるのです。ガントが黒い戦闘服に黒いヘルメットをつけているのを見ると、思わずあんたは『ストリートホーク』か、『処刑ライダー』かい!と突っ込んでしまいますが、やはり、イーストウッドが着ると様になりますね。

クライマックスは、ファイヤーフォックスと、その2号機との空中戦。これは、まるでエアーウルフvsレッドウルフ(詳しくは第31回「新開発レーザー砲!! 地上最強レッドウルフを阻止せよ」をご覧ください)感覚で楽しめるかも。

と、このようにいろんな部分で「エアーウルフ」と対比できる要素が実に多いこの映画。エアーウルフファンの方は、ぜひ1度ご覧になってみてはいかがでしょうか。


ソビエト軍がマッハ5の超音速で飛べる超ハイテク戦闘機「ファイヤーフォックス」を開発した。その情報を聞きつけたアメリカCIAとイギリスSISは、大胆な計画を打ち立てた。それは、ソビエトに潜入し、戦闘機開発に従事している反体制派組織の協力を得て、ファイヤーフォックスを奪い取ろうとするものだった。CIAは、アラスカで余生を過ごしていた元米空軍パイロットのミッチェル・ガントに作戦任務を要請する。ガントは、貿易商に成りすまし、モスクワに潜入。反体制派組織の工作員と接触するが・・・。


 

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