ミニミニ大作戦
THE ITALIAN JOB(1969年/イギリス)
監督 ピーター・コリンソン
出演 マイケル・ケイン(チャーリー・クローカー)
ノエル・カワード(ブリッジャー)
マーガレット・ブライ(ローナ)
ベニー・ヒル(ピーチ)
トニー・バックレイ(フレディ) /他
2003年にマーク・ウォルバーグ主演でリメイクされた伝説のカーアクション映画の傑作。舞台は、先頃冬季オリンピックが開催されたトリノ。4000万ドルの金塊を奪うため、コンピューターの専門家や、ドライブテクニックを持った陽気な男達が赤、青、白のミニクーパーを操り、綿密に練られた豪快かつ大胆な計画を難なく実行してしまう。イタリアのアーケードや広場で繰り広げられるを豪快なカーチェイスシーンは、とてもスリリング。交通機関を麻痺させる場面では、実際にスタッフが車を使って渋滞を起こしたそうです。身軽なミニクーパーのカーアクションは、躍動感があり面白い。丸い下水道の中をジグザクに走ったり、巨大な建物の屋根に登り、パトカーを困惑させる場面など、カッコ良い場面が数多い。ただ、ビルとビルの間をジャンプするシーンは、DVDの特典映像でも語られていたが、ビルの高さがわからず、いまいち迫力に欠けていたのが残念。計画が成功して、三台のミニクーパーが走行中のバスの中に乗り込む時、最後の一台が中々うまくレールに乗れない場面もハラハラさせられた。バスの車体が崖からはみ出してシーソーのようになってしまうラストシーンは、まるでドリフのコントのようだったが、それがまた面白い。
主演のマイケル・ケインは、この後、『ポセイドン・アドベンチャー2』や『ジョーズ’87復讐編』、 最近では、『バットマン・ビキンズ』にも執事の役で出演している。この人昔は、『エアーウルフ』でモフェットを演じたデビッド・ヘミングスと雰囲気が似ていて、よく勘違いをしたものでした。監督は、当初は、『ブリット』のピーター・イェーツの名も挙がったそうですが、結局、当時新進気鋭のピーター・コリンソンを起用したそうです。
映画史にカーアクションを持ち込んだ『ブリット』が公開された翌年には、他にも『ラブバック』『チキチキバンバン』などのカーアクション映画が次々と製作されているが、この当時にこのような豪快なカーアクション映画が作られた事は、まさに画期的な事だったのではないだろうか。DVDには、本編でカットされてしまったミニクーパーとパトカーがスケートリンクの上でワルツを踊りながらチェイスを繰り広げるシーンも収録されていた。スピード感を保つためにカットされてしまったようですが、製作者も言ってましたが、カットしなくても良かったのではと思いました。
2年の刑期を終え出所した泥棒のチャーリー・クローカーは、マフィアに殺されたベッカーマンの残した仕事の準備を開始した。それは、イタリアのトリノで女王陛下のために、中国から運びこまれる400万ドルの金塊を奪うものだった。チャーリーは、ムショ仲間のブリッジャーの助けを借りて、襲撃隊を組織した。だが、襲撃隊は、峠でマフィアのリーダー、アルタバーニと鉢合わせし…。