ハンコック

HANCOCK(2008年/アメリカ)

監督 ピーター・バーグ

出演 ウィル・スミス(ジョン・ハンコック)
   シャーリーズ・セロン(メアリー・エンブリー)
   ジェイソン・ベイトマン(レイ・エンブリー)
   ジェイ・ヘッド (アーロン・エンブリー)
   ジョニー・ガレッキ(ジェレミー)/他


CGが革新的な進歩を遂げてから、SFやアクションなどのジャンルの映画には、CGありきものが常識になってしまった。『スパイダーマン』や『スーパーマン』『ハルク』『アイアンマン』など、アメリカを代表するヒーロー達が一昔前では、考えられなかった動きを見せたり、また、カメラワークも自由自在になったのは、事実だが、それも長年見ていると、あまり驚きを感じなくなる。この映画に登場するヒーローもCGを中心に描かれているが、ヒーローらしからぬ駄目っぷりが実に楽しい。

アルコール依存症のただの中年親父が、実は、とてつもない力を秘めたスーパーヒーローと言う設定は、とても新鮮味を感じた。自由自在に空を飛び、未知なるパワーで凶悪犯を懲らしめるが、ありえないパワーを持つヒーローは、時に人間を脅かす存在となる。ハンコックもまた、人助けをしているつもりなのに、そのやり方が横暴なために、社会を混乱させ、非難の対象にされてしまう。これまでのヒーロー映画にはなかった視点が、ユニークに描かれているところが面白い。『ハンコック』と呼ばれる男は、一体何者なのか?と言う疑問を投げかけながら、展開が進むに連れて、その謎が明らかになっていく、そのストーリーの構成も良かった。ただ、ヒーローの能力やその描写については、テレビドラマの『HEROES』を少しスケールアップした程度にしか見えず、もう一捻りハジけた部分が欲しかった。ただ、ハンコックが機関車にぶつかる場面だけは、とてもインパクトがあった。

ハンコックとメアリーの関係がいまいち判然としなかったり、また、ハンコックによって、片方の手首を失った銀行襲撃グループのリーダーの男が、ハンコックの素性について何かを知っているのでは?と思ったが、結局最後は、ただの復讐鬼で終わってしまっていたのは、勿体無かった気がする。


やりすぎがたたって嫌われ者になってしまった悲運のスーパーヒーロー・ジョン・ハンコック。凶悪犯を懲らしめても、街に大きな損害を与える事ばかりしでかし、ロサンゼルスの市民からは、大ブーイングを受け続けている。ある日、ハンコックに命を助けられた広告会社に勤務するレイ・エンブリーは、ハンコックを市民から愛されるヒーローにさせようと、イメージ戦略を練り始める。


 

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