ハルク
HULK(2003年/アメリカ)
監督 アン・リー
出演 エリック・バナ(ブルース・バナー)
ジェニファー・コネリー(ベティ・ロス)
ニック・ノルティ(デビッド・バナー)
サム・エリオット(ロス将軍)
ジョシュ・ルーカス(グレン・タルボット)/他
1970年代後半に5シーズンに渡りテレビシリーズとして製作された人気アメコミヒーローの実写リメイク作品。『キングコング』を意識したようなストーリー展開、知らぬ間に実験体にされていた悲劇、怒りと悲しみが交錯する回想場面など、見応えのある映像が続く。ハルクが変身するのがやや遅すぎな感じもしたが、マンガのコマ割りのような四方から次々と現れるワイプ画面の多用とアメコミチックな演出で最後まで引き込まれた。テレビシリーズでは、今回のようなどでかいハルクではなく、等身大の人間がハルクを演じていたようですが、映画では、もちろんCG。しかし、巧みな動きが一つ一つ精巧に表現されていて、顔の表情も柔らかで豊かであり、とても見応えるのある映像だった。ハルクの顔が時折、『ミッション・インポッシブル』の短髪の頃のトム・クルーズに見えたりすることもあったが、それにしてもハルクの跳躍力が物凄い。その跳躍力を使ってアメリカ大陸を横断する映像は、とても清々しい。戦闘ヘリも体当たりで一網打尽、戦車もパンチ一つで破壊して振り回す。サンフラシスコの街の地中を潜り、路面を割りながら、止めてあった車をなぎ倒し這い出てくる映像も痛快で迫力があった。
ブルースの恋人役を演じていたジェニファー・コネリーは、『フェノミナ』の頃の初々しい美しさがが未だに垣間見えるところが凄い。ハルクの父デビッド・バナーを演じるのは、『48時間』で豪快な刑事役も印象的だったニック・ノルティ。ラストは、父子の変身対決だったが、父親のほうは、人間体ではなく、浮遊霊みたいなものになってしまい、肝心の対決シーンは、いまいち内容に乏しかったのが残念だった。この作品には、テレビシリーズでハルクを演じたルー・フェリグノがカメオ出演しています。
遺伝子学者ブルース・バナーは、実験中に大量のガンマ線を浴び、やがて、彼の体内で異変が起き始めた。「怒り」の感情を抱いた時、ブルースの身体は、緑色の巨大なモンスター「ハルク」に変身してしまうのだ。ハルクは、自分を捕獲しようとする軍の最新兵器を搭載したヘリやジェット機の攻撃をかわし、恋人の女性科学者ベティの元へ向かう。