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■メタルヒーローシリーズ3・宇宙刑事シャイダー
《エピソードコメント》
 
 
第1話「不思議界」…地球人の宇宙刑事訓練生の沢村大と自分の育った星マウント惑星を破壊されてしまったアニーがコム長官の指令を受けて、地球に派遣される。フーマの人間洗脳計画で使われる不思議ソングの妖しい音色、不思議な映像空間の中で激しく展開する白熱のアクションシーン、ブルーの光がオーロラのように振り注ぎ焼結する変身映像も素晴らしい。艶やかな衣装のギャル軍団、神官ポーの強烈な存在感、そして、リアルな動きをするクビライの顔など、敵側も魅力タップリ。

第3話「アニー応答なし」…アニー・アクション全開のエピソード。フーマがシャイダーとアニーを分断させるために、アニーをターゲットにして、様々な罠を仕掛ける。ヘスラー指揮官に一杯食わされ、山奥のトンネルの中で待ち構えていたギャル軍団達と戦いを繰り広げるアニー。橋上での激しい格闘、ロープアクションなど、歴代宇宙刑事シリーズでも見られたワイルドでスピーディーなアクションシーンを難無くこなすが森永氏が凄い。シャイダーは、歩道橋の階段上での焼結シーンがカッコ良かったが、このエピソードでは、アニーのほうが頼もしく見えた。ラスト、シャイダーに銃を向けてしまった事を悔い、自分を責めるアニーの姿が印象的。

第6話「不思議料理の逆襲」…ギャバンの「魔空塾の天才たち」でもあった料理によって子供達を洗脳する回。いじめられっ子のメダカがある日、不思議な超能力を身につけて、いじめっ子たちに逆襲をする。自転車に乗ったまま宙に浮き、そのまま地面へ突き落とされる少年、学校のグラウンドにある砂場に首まで埋められてしまう少年、体育館でバスケットボールのシャワーを浴び、混乱する先生と生徒達。メダカの超能力によって痛めつけられる生徒達の描写が不思議かつ残酷な感じが出ていて絶妙。

第7話「見たかギャル変幻」…生物化学者の香取教授から動物と植物の合成生物バラガエルのデータを奪うため、タイトルのごとくフーマのギャル軍団が様々に変装して、香取教授を心理的に追い詰めて行く話。今回もフーマの緻密な心理作戦に不思議ソングが効果的に使われている。ある時は、テニスルックの女子大生、小学校の先生、宅急便の配達員などなど、バリエーション豊富に姿を変えるギャル軍団の鮮やかな変化ぶりも然ることながら、フーマの群集に立ち向かいながら華麗にスピーディーに変身を遂げるシャイダーの焼結シーンもカッコいい。「アニーよ、銃を取れ!」の掛け声と共にシャイダーの放り投げた銃をアニーがキャッチし、二人が息の合った戦闘シーンを繰り広げる場面も痛快。レーザーブレードのBGMは、個人的には、このエピソードで流れていた曲がベスト。

第13話「金メダル仕掛け人」…人の欲望や妬みを利用して、人間を悪魔に変えていくフーマの作戦は、実に巧妙奇天烈。今回の作戦もフーマ教とも言うべき狂信集団の恐怖が画面から滲み出ている。女子高生の川中はるかは、オリンピックを目指す新体操の補欠選手。真の選手に憧れるはるかに目をつけたフーマが彼女を獣に変える。オリンピックに出るためにフーマに魂を売ったはるかは、自分の醜い心を露にして、次々とオリンピックの出場選手達を負傷させて行く。はるかの異変に気づいたシャイダーとアニーは、彼女を陰で操る不思議コトコトと対決。不思議時空でのバトルは、コトコトが巨大化したり、分裂して白衣装の三人組になったり、巨大な鉄球でシャイダーに襲いかかったりと、今回も派手な立ち回りや、様々な仕掛けがスピーディに展開するところが良い。へスラー指揮官の人間体は、なんか普通に好青年過ぎてびっくり。

第21話「ヤーダ! 珍獣家族」…燕尾服を着た謎の紳士に写真を撮られた人達が次々と互いの事を忘れて、混乱して行く。不思議獣スリスリによる刷り込み作戦を展開するフーマ。スリスリのフラッシュを浴びた家族は、ヤーダを母親と思い込み、思想や行動、暮らしなど、全てを制圧されてしまう。アニーもスリスリのフラッシュを浴び、混乱するが、シャイダーには、フラッシュが通じなかった。それをヒントにシャイダー達は、フーマの秘密基地に潜入し、フーマの作戦を叩き潰す。シャイダーとスリスリが不思議時空(採石場)でバトルしている場面、シャイダーがスリスリのフラッシュ攻撃を浴びた時、コンバットスーツが爆破するが、その吹き上がりが凄い。このエピソード、今の社会のやばさを恐ろしく突いていてるような気がして、身の毛がよだつ…。

第23話「傷だらけの大脱走」…小次郎が目撃した幽霊が神官ポーそっくりである事を知った大は、その幽霊が現れた山へ向かう。キャンプ中の親子の子供が行方不明になり、その捜索に当たっていた大に突然、白いガスが襲いかかる。不気味なガスを振りまく防護服を身につけた怪しい集団、そして、大の前に現れた不思議獣ガスガス。特殊なバリアガスによって、大は、焼結不能となり、山の中で決死の逃避行を始める…。バビロス号を破壊するために山の地下で開発が進められているどでかいフーマ砲はイラストだが、そのイラストにミラクラー達が工具を向けている姿がなんともシュール。バリアガスによって追いつめられた大を間一髪のところで発見したアニーが手動でバビロス号の焼結システムを作動させ、崖から勢いよく落ちる大が焼結すると言う展開がなんともカッコ良い。それにしても、崖からの落ち方が半端なく凄い。

第29話「百面相だよ女刑事」…アニー七変化の回。校舎の屋上から女子生徒が飛び降りるショッキングな映像から始まっただけに前半と後半の展開のギャップに、少し戸惑った。不思議獣イトイトが作った衣装を身につけた子供達が残忍性をあらわにし、次々と騒動を起こして行く。フーマのファッション作戦の罠にはまった小学生達の教師を演じるのは、デンジイエローこと、津山栄一氏。戦隊のヒロインのように次々と衣装を変え、ギャル軍団を欺くアニーと共に、土管の中で瞬間的に焼結するシャイダーのカッコ良さが印象に残った。今回は、アニーのコミカルな活躍がメインのはずなのだが、フーマに操られる子供達を見ると、日本の未来の姿を予見していたかのようで、色々と感心させられる。

第30話「空を裂く命の交信」…アニーがフーマに襲われ、拉致される。シャイダーは、消えたアニーをシャイアンを使って探し始める。フーマの地下の秘密基地から脱走したアニーが通信機を使って、シャイダーの居場所を伝えようとするところまでは、緊迫しているが、その後、なぜか突然フーマとアニーの通信機取り合い合戦が始まる。珍しくいかにもな笑いの場面が盛り込まれていると思えば、シャイダーと不思議獣が不思議時空の中でなく、地上で決戦をしていたところも珍しい。スカイシャイアンでの空中戦闘映像は、度々見てきたが、シャイアンでの空中戦や地上を走行しながらのバトルシーンも珍しい展開だった。不思議獣ブヨブヨが化ける巨大なエアマットの中で大とギャル軍団が激しい立ち回りを見せるアクションが印象的。

第31話「猛獣缶詰大バーゲン」…宇宙型インフルエンザにかかったクビライがくしゃみをした事によって誕生した卵を孵化させるために、フーマは、卵の入った缶詰を大量に売り出す。孵化した卵から珍獣フマフマが生まれ、大人気のペットになる。だが、野生ホルモンを注射されたフマフマが放たれたのをきっかけに、飼われたフマフマがかわいい生物から凶暴な悪魔の顔に豹変し、人間に襲い掛かる。フマフマは、当時の大ヒット映画「グレムリン」を彷彿とさせるが、実際、不採用になったデザイン画に「グレグレ」と名づけられたものがあったとか。シャイダーが空中移動しながらビデオビームガンを撃ったり、ギャル軍団も宙に浮いて、シャイダーに電撃攻撃を仕掛けたりと、ワイヤーアクション全開といった印象。前回と同じく、地上でフマフマと決着をつける展開がインパクトあった。

第32話「僕と君のメロディ」…キューリー星人の赤ん坊を乗せた宇宙船が地球にやってきた。警護用アンドロイドの二人の女の手によって、キューリー星人の赤ん坊は、急成長し、エスパー少年・オズマとなるが、彼の超能力に恐れ戦くダーク星人がオズマの命を狙う。廃バスの中で巡りあうオズマと民子。フルートの音色と共に描かれる二人の淡い恋風景が印象的。ギャバンでも同じテーマで描かれたストーリーがあったが、こちらは、さらにシリアスで洗練された感じがする。二人の恋風景に時間を割いたせいか、シャイダーとフーマのバトルシーンがやや早急感があったが、シャイダーがレーザーブレードを光らせたまま、ブレードをムチ形態に変えて攻撃するところやダーク星人がシャイダーに放ったレーザー攻撃のシーンなど、中々迫力があった。

第33話「散歩する腹話術師」…人間を人形化し、奴隷にするフーマのマリオネット作戦。奇怪な人形の顔の被り物をつけ、人形のように動きを止めている子供達。そして、不思議獣メリメリが化けた腹話術師の罠にはまり、アニーもまた人形人間と化す。人形人間となった子供たちとアニーを救うべく、メリメリが作り出した不思議な空間で、自分の偽物と激闘を繰り広げる大。じんわりと不気味に広がって行くファンタスティックでシュールな世界観がたまらない。スタントマンのカットを挟んでいるものの、円谷=大のアクションもスピード感があり豪快。8ちゃんのバラバラマンこと斉藤晴彦氏がメリメリの人間体の腹話術師を演じ、良い味を出していた。子役には、マシンマンやゴーグルファイブでお馴染みの大原和彦氏が出演。

第36話「ユメコン狂時代だ」…ユメコンに欲しい物の名前を入力すれば、ボタン一つで何でも出てきてしまい、それにはまった人間達は、会社も学校も行かなくなり、スポーツも買い物もしなくなると言う。人間を堕落させ、怠け者にするフーマの作戦が面白い。この当時は、まだまだパソコンは、発展途上、すでに今の時代を予期していたのか。クライマックスのシャイダーと偽シャイダーとの対決。初期の戦隊では、よくあった光景だが、宇宙刑事同士の対決は、珍しい。

第37話「吼えろビームガン」…地球人の若者を兵士に仕立て、シャイダー達を襲わせるフーマ。冒頭は、ギャバンとシャリバンのBGMを交えてのシャイダーとフーマの激しい戦闘シーンが繰り広げられる。兵士が地球人だと知り、手が出せないシャイダーは、バビロス号の中で、射撃の猛特訓を開始。不思議中グチグチは、これまた、大変インパクトのあるデザイン。唇型の巨大な顔がめくれて、第2の悪魔の顔をさらけ出すところが不気味だがユニーク。グチグチの人間体を演じる高橋利道氏=グチ将軍とシャイダーのバトルも見応えがあったが、グチ将軍のままでも強いためか、グチグチとのバトルが少なかったのが印象的。フーマの兵士になった陽子とアニーのバトルも良い。ジープから飛び降りての焼結シーンがまたしてもカッコイイ。

第40話「バビロス号SOS」…シャリバンでもあった戦闘母艦破壊作戦をフーマが実行。不思議獣テロテロ(笑)ってわかりやすいネーミングがツボ。確かにテロ活動に違いないが…。そのテロテロの卵をバビロス号に持ち込んでしまったアニー。卵から孵った怪物は、アニーが発射したレーザー光線を浴びて、瞬く間に成長し、ついには、人の大きさになって、バビロス号の焼結システムやフォーメーションシステムを破壊する。地上では、大がフーマの仕掛けた罠にはまり、檻の中で串刺しにされそうになるが、アニーが必死にテロテロに抵抗し、焼結システムのサブシステムを起動させる。間一髪危機を逃れたシャイダーは、フーマの母艦の激しい砲撃に耐え、バビロスのフォーメーションシステムの回復を待つ…フーマの作戦が回を追うごとに卑劣さを増してきているが、今回シャイダー達は、かなり危機的な状況に追い込まれていた。不思議時空での戦闘シーンがなく、バビロス号の艦体の上で戦う場面が印象的。

第41話「直撃じゃじゃ馬娘」…バード星の市長の娘・ビビアンが宇宙船で飛び出した後、消息不明になる。連絡を受けたシャイダーは、ビビアンの行方を探し始める。あろうことか、ビビアンを乗せた宇宙船は、フーマがいる不思議宮殿へ不時着。へスラーを前にしても平然と惚けてみせるビビアンのじゃじゃ馬ぶりは笑えるが、案の定ビビアンは、フーマに洗脳され、前回に続いてバビロス号の破壊工作に利用される。フーマが焼結システムなど、シャイダーの活動の根幹となるバビロス号を集中的に狙うところは、作戦としては、中々的を得ていて、ビビアンをスパイに仕立てるポーの戦略が冴えている。ビビアン役は、次期シリーズ「巨獣特捜ジャスピオン」でアンリ役を演じた塚田きよみ氏。

第44話「吹き荒れる大侵略」…フーマの全銀河侵略の猛攻撃が激しさを増し、数々の惑星が消滅、各惑星担当の宇宙刑事も相次いで戦死する。ギャバンやシャリバンも他惑星で激戦する中、地球では、サイボーグ化したギャル1とシャイダー達の死闘が展開。一度死んだギャル1が亡霊化し、40、41話に続きバビロス号を狙って、再びシャイダーとアニーを襲う。怨霊ギャル1の名和氏の白熱の演技が圧巻。

【劇場板】…冒頭からオフィスビル街で何者かに狙われる大。ビルの屋上へ駆け上り、激しい格闘の末、ビルから真ッ逆様に転落しながらの焼結シーン、そして、ジャンピングしてまたビルの屋上へ着地するスピーディなアクションが素晴らしい。地上からジャンプして屋上へ着地する場面は、逆回転再生の手法をとられているが、実際にあの高いビルの屋上から飛び降りているのが凄く、その瞬間的なショットがカッコ良い。何者かが乗るマスタングとブルホークの追跡チェイス。見渡しの良い直進の公道で展開されるミサイル攻撃、爆破シーンが心地良い。シャイダーを狙ったのは、オメガと言う流れ者の異星人。ギャバン、シャリバンとの戦いに敗れ、流れ着いた地球でシャイダー討伐を誓う。フーマは、幼稚園児とアニーを誘拐するが、シャイダーが救い、ラストのオメガとの一騎打ちは、ちょっと短いが白熱のアクションが展開した。採石場でフーマの集団に囲まれ、一人リンチ状態に陥る大。大演じる円谷氏のアクションも見られ、大がジープに足を轢かれる場面は、生々しく傷みが伝わってくる。シャイダーとアニーのビデオビームガンを使った長回しによる連続射撃シーンも迫力あり。また、連れ去られた幼稚園児の乗るバスを追跡中にフーマの異空間に入り込んだアニーがビルの屋上に設置されたクレーンの上から豪快にロープで飛び降りるアクションも凄かった。

 


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