デス・レース2000

DEATH RACE 2000(1975年/アメリカ)

監督 ポール・バーテル

出演 デビッド・キャラダイン(フランケンシュタイン)
   シルベスター・スタローン(マシンガン・ジョー)
   シモーネ・グリフィス(アニー) 
   メアリー・ウォロノフ(ジェーン)
   ロバータ・コリンズ(マチルダ)/他


大陸横断レースものカーアクションと言えば、『激走5000キロ!』『キャノンボール』シリーズなど、コミカル・ハチャメチャ系の物が数多いが、この映画は、独裁国家になってしまった近未来のアメリカが舞台で、ロサンゼルスからニューヨークまでの5000キロの距離を選ばれた5人のレーサー達が特殊なスーパーカーに乗り、人を轢き殺して、点数を競い合うレースを展開してしまうと言うなんともお下劣で超過激なバイオレンス度100%のブラックコメディになっている。

主人公は、バットマンみたいな衣装を着た男で、ディフェンディング・チャンピオンらしい。数々のレースで片腕、片足をなくし 顔も半分損失、顎も陥没し、名前も「フランケンシュタイン」と呼ばれるぐらいなので、サイボーグにでもなっているのかと思いきや、マスクを剥がしたらただの普通のおじさんだった・・・。このおじさん、どこかで見たことがあると思ったら、その昔は、『シェーン』の早撃ちガンマン、最近では、『キル・ビル2』、『超音速攻撃・エアーウルフ』にもゲスト出演した事あるデビッド・キャラダインではないか。マシンガンを持って、意味もなくひたすら撃ち捲くる名前も「マシンガン・ジョー」と言う役を『ロッキー』で有名にになる前の若かりしシルベスター・スタローンが出演しているところも興味を引くところ。スタローンが悪役に徹している珍しい姿が拝める。最近出演した『ドリブン』よりもハジけているところが実に爽快で良い。メカニックの単役で後に『ブルース・ブラザーズ』でハチャメチャなカーアクション映画を監督したジョン・ランディスが出演しているところにも注目。

奇抜な形をした五台のマシーンも見所の一つ。『ライオン号』『誘導爆弾号』『雄牛号』『ピースメーカー号』『モンスター号』と、日本語にすると、いまいちピンと来ないネーミング。一応、2000年と言う時代設定なので、あのようなデザインになったのだと思うが、どれも、日本の特撮に出てきそうな感じの車だ。アメリカムービーでこれほど個性的なマシーンは、『バット・モービル』以外は、思い当たらない。その車達が繰り広げるレースシーンは、緊迫感があり、とても楽しめる。

最近で言う「ヨンさま」スタイルなレースのアナウンサーがこれまた笑える。淡々と人を轢き殺していくレース展開には、少々恐怖を感じるが、老人や子供を轢き殺した方が点数が高いという残酷さは、なんだか今のに日本の社会状況を皮肉っているようにも見え、また、全体的なテーマ性を鑑みると、少し間違った方向に進んでしまった現在のアメリカの姿をも皮肉っている感じがします。


西暦2000年のアメリカ合衆国。今や国民の娯楽となった大陸横断デス・レースが今年も開催される。特殊なマシーンで、子供から老人までいかに多くの人間を轢き殺し、いかに早くゴール・インするかを競うレースである。TV中継で、国民的ヒーロー、フランケンシュタインを筆頭に、ジェーン、マチルダ、ネロ、ジョーが紹介される。それぞれ異性の助手を乗せ、レースは、スタートする。だが、フランケンシュタインの助手のアニーは、革命軍のスパイだっだ。革命軍は、この殺人レースを阻止し、政権を倒して、新しい平和な社会を取り戻そうとしていた。


 

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