バニシング IN TURBO
GRAND THEFT AUTO(1976年/アメリカ)
監督 ロン・ハワード
出演 ロン・ハワード(サム)『バニシングポイント』『激突 カージャック』『バニシングIN60』などなど、1970年代に数々のカーアクション映画が製作されましたが、とりわけこの映画は、同年に製作された『激走!5000キロ』と同じく、コミカルテイストなカーアクション。青春映画『卒業』+カーアクションと言ったノリの作品です。若干24歳のロン・ハワードが監督と主演を務め、作り上げたと言うのだから驚き。
金持ちの娘ポーラとサムがロールスロイスに乗って、ロサンゼルスからラスベガスまで愛の逃避行を繰り広げ、それを知ったポーラの婚約者が彼らに2万5千ドルの賞金をかけ、はたまたその婚約者の息子のお母さんまでもが自分の息子の行方を探すのに、2万5千ドルの賞金をかけてしまうと言うハチャメチャな展開が実に笑える。とにかく、次々と繰り出されるど派手なカーチェイスが見物。ハイウェイで激しく横転するダッジ、砂漠の真中で、次々と爆破するダイナマイト。二人に賞金がかかっている事を知り、ロールスロイスを追い掛け回す人間達の横暴な姿も実にシニカルかつ滑稽。町を無秩序、大パニックに陥れてもヒーロー扱いされてしまうところがいかにも70年代のアメリカ映画と言った感じで痛快です。そもそも二人が駆け落ちしなきゃこんなことには・・・なんてことは、言わないように。
ラストの方で知らず知らずのうちに、ロールス・ロイスがジャンクレース「クラッシュ・ゲーム・サーキット」に参加してしまうのですが、その場面は、『ナイトライダー1』のレース場面を彷彿とさせられます。また、舞台がカリフォルニアだけに、『ナイトライダー』でも何度も出てきた砂漠や、第3回「激闘!魔の巨大ダム捜査ナイト2000決死のターボジャンプ!!」で、マイケルがしつこく追ってくるナイト2000を追い払う場面で出てくる街並みも見ることができます。
ビバリー・ヒルズに住むポーラとサムは、結婚を約束するが、ポーラの両親は大反対。大物実業家のポーラの父親は、政界入りするために資産家の息子コリンズとポーラを結婚させようとしていたが、コリンズが嫌いなポーラは、父親のロールス・ロイスを盗み出して、サムと駆け落ちし、逃避行を始める。ポーラの父親は、私立探偵に依頼し、二人を探し出そうとし、一方、ポーラの婚約者のコリンズは、人気DJのカーリーに、ラジオを通じてポーラを連れ戻してくれた人に2万5千ドルの賞金を出すというアナウンスをさせる。暴走するコリンズを心配する母親は、カーリーに彼を見つけた人に2万5千ドルを支払うと放送させ、それを聞いた住民達が、二人を追いかけ始める。