ペドロ・アルメンダリスＪｒ．（エデュアルド・オブライエン）／パティー・コテロ(ティアラ・ダルシー)

　　　ジョージ・マードック（アーチべルド・ヘンリー）／ロバート・コルバート(エルトン・マシューズ)

　　　エミリー・バンクス(プリシラ・ラグスデイル)／アレル・ブラントン(フランク)

　　　　 チャック・リンドスリー（スチュワード）／ルイス・コントレラース(コヨーテ)／他

夜、メキシコの闇の犯罪者エデュアルト・オブライエンの船でパーティが開かれていた。オブライエンのナイフ・パフォーマンスで客らが盛り上る最中、船の外の海面から一人の男が姿を現わす。男は、船に張られたロープをよじ登り、船内に潜入し、部屋の金庫を開けようとするが、人影が近づくのに気づき、また海に潜り消えた…。

マイケルは、カレキシコのモーテルにかけつけ、そこに泊まるジョアンナを訪ねる。不法密入国者を影で操る組織を追っていたジョアンナの夫で連邦検事のデーグランスがメキシコの国境付近で死体で見つかり、夫の死に不審に思ったジョアンナがナイト財団に調査を依頼してきたのだ。デーグランスの残した小切手帳の走り書きとバックの底に隠していた欠片を手がかりに、マイケルは、ジョアンナを連れさっそく国境地点へ向かった。デークランスが借りていたレンタカーのタイヤの後を追ううち、路上で彼が持っていたのと同じ欠片が見つかる。それには、微量の金の粒子が付着していた。

ジョアンナは、自分も調査に加わろうとするが、マイケルは、そんな彼女が気がかりだった。二人はモーテルに戻るが、部屋の扉を開けた途端、中から不審な男が飛び出してきた。マイケルは、男を追うが、彼は、屋根に登り、瞬く間に姿を消す。辺りを探し回り、目の前を通りがかりった男に声をかけたマイケルは、キットにその男の車のナンバーを調べさせる。

その夜、マイケルは、再び国境地点を見張りに行く。メキシコ側から侵入してくる貨物車、４輪駆動車を見つけたマイケルは、キットをおとりに使い、トラックを引きつけている間に貨物車の荷台に潜り込む。積荷の中身は、金だった。車は、倉庫に入り、マイケルは、隙を見て逃げ出そうとするが、男達に捕まってしまう。マイケルに危険が迫ったその時、またあの男が現れ、男達を次々と倒していく。マイケルも男達を蹴散らし、急いで倉庫から抜け出した。そして、自分の命を救い、瞬く間に逃げ去った男をキットで追いかけ捕まえた。男の名は、デビッド･ドルトン。彼もまた殺されたデーグランスの事件を追っていた。

★ＮＢＣＴＶ(１９８３〜１９８４年放送)　第２シリーズ第１９話(シリーズトータル第４０回)

【アメリカ放送日】　１９８４年４月８日　【日本放送日】　１９８５年１０月２７日

このエピソードは､アメリカで１９８４年４月８日に放送された２時間枠のスペシャル版であり、第２シリーズの第１９話に当たります。日本では、『日曜洋画劇場』枠で１９８５年１０月２７日に放送されました｡

柔軟に体を操るデビッド・ドルトンは、アパートの屋根や船の上から飛び降りたり、ロープを使ってターザンのように飛び回り、トランポリンを使った妙技も披露するまさに超人のような存在。このエピソードが制作された２年後、デビッド・ドルトンを主人公にしたナイトライダーの初のスピンオフ「CODE OF VENGEANCE」が制作されたが、早々に打ち切りになってしまった。当然ながら日本では放送されなかった。

このエピソードは、メキシコから運ばれてきた新型ミサイルに立ち向かうマイケルとキットの活躍が描かれているが、マイケルらレギュラーメンバーの出番は少なく、ドルトンとジョアンナが中心になって事件を解決に導く異色のストーリーになっている。デビッド・ハッセルホフとキャサリン・ヒックランド(マイケルの恋人のスティービー役。第１７回「ビデオテープは死のサイン！芸能界潜入！マイケル歌手に!!」などにゲスト出演している)に結婚式や新婚旅行の時間を与えるため、スタッフがとった苦肉の策だったようです。

アメリカでの放映順では、『ナイトライダー３』の放送後、一時間枠のエピソード(「復讐の罠!マイケルは２度死ぬ･シグナルＧＯ!高層ビル激走」) の放送の次にこのエピソードが放送されています。立て続けに２時間バージョンが放映されたのは、やはり当時のこのテレビムービーの人気の高さを裏付ける証拠だと言えるでしょう。

■体操技を得意とした人物が登場

第５１回「疑惑・女子刑務所に消えた怪盗!!」

●『ＳＴＡＹ　ＷＩＴＨ　ＭＥ　ＴＯＮＩＧＨＴ』　ジェフリー・オズボーン