007/慰めの報酬

QUANTUM OF SOLACE(2008年/イギリス・アメリカ)

監督 マーク・フォースター

出演 ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)
   オルガ・キュリレンコ(カミーユ)
   マチュー・アマルリック(ドミニク・グリーン)
   ジュディ・デンチ(M)
   ジェフリー・ライト(フェリックス・レイター)/他 

解説

シリーズ第22作。ダニエル・クレイグ=ボンド第2弾。前作『カジノロイワル』の続編。前作で愛を誓い合った英国財務省のヴェスパー・リンドを失ったボンドは、その復讐を果たすため、彼女を操っていた男・ミスター・ホワイトを探して、オーストリア、イタリア、南米など世界中を駆け巡る。冷徹な表情とは裏腹に、感情任せに動き、目的のために手段を選ばす暴走するボンドの姿が新鮮。こんなボンドを見るのは、『消されたライセンス』のティモシー・ダルトン=ボンド以来だが、クレイグ=ボンドは、また一味違った魅力がある。

冒頭では、イタリア・ガルダ湖岸の道路から採石場まで、ボンドカー=アストン・マーティンDBSとアルファロメオのスピーディなカーチェイスが展開。激しいぶつかりあいを繰り広げた末、ボンドカーは、のっけから運転席のドアがなくなり、ボコボコに傷ついて、お馴染みの秘密兵器を使う間もなくカーチェイスが終了してしまったのは残念だったが、ダニエル=ボンドのイメージを考えるとあれが正解だったのかもしれない。前作は、ボンドとヴェスパーの関係を中心に描いていたため、アクションは、控えめだったが、今回は、陸・海・空に渡り、ボンド映画らしいハードなアクションシーンが連発していた。とにかく、ダニエル=ボンドは、よく飛ぶ。前作に続き、今作でもボンドは、家の屋根から屋根へ飛び移ったり、建物の上から走行するバスの屋根に飛び降りたり、派手なジャンピングアクションが見られた。パナマの海では、激しいボート・チェイス。メキシコでは、ボンドとカミーユが乗る双発プロペラ機ダグラスDC-3とヒューイコブラヘリコプターの空中戦がスピード感溢れる映像で展開した。クライマックスは、ボリビアの砂漠の上に建てられたホテルでボンドと敵組織が激しい炎の中で激闘を繰り広げ、中々の迫力だった。いくつかの謎を残したまま映画が終わってしまうところは、意外だったが、敵組織の目的が天然資源の支配でありながら、そう言った描写があまり見られず、敵方の作戦の全体像がいまいち見え辛かったのは、少々残念だった。

『トゥモロー・ネバー・ダイ』以来にボンドの愛銃・ワルサーPPKが復活。いたるところに往年の007シリーズを彷彿とさせる演出も見られたが、映画冒頭に登場するお馴染みのガンバレル・シークエンスは、これまでとは、違って、本編終了後に流れるなど、パターン崩しもあり面白かった。前作に続き、Mやフェリックス・ライター、レネ・マティスなどボンドの仲間達も登場していたが、一番印象に残った登場人物は、敵方のドミニク・グリーン。前作のル・シッフルの存在感も良かったが、ドミニクを演じたマチュー・アマルリックのあの悪(ワル)に見えない独特の上品な雰囲気とたまに見せる裏側の顔とのギャップがとても良かった。

 

ストーリー

ヴェスパーを失い、その復讐に燃えるジェームズ・ボンドは、彼女を操っていたミスター・ホワイトを尋問し、ホワイトの背後に潜む巨大組織の全貌を探り始める。ボンドは、ハイチて出会ったカミーユという女性を通じて、環境保護を推進する慈善団体「グリーン・プラネット」のCEOドミニク・グリーンの居所を突き止める。グリーンは、ボリビアの貴重な天然資源を独占し、その支配を企んでいた。ボンドは、カミーユと共に、グリーンの野望を阻止しようとする。

 

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