007/死ぬのは奴らだ

LIVE AND LET DIE(1973年/イギリス)

監督 ガイ・ハミルトン

出演 ロジャー・ムーア(ボンド)
   ジェーン・シーモア(ソリテール)
   ヤフェット・コットー(Dr.カナンガ/Mr.ビッグ)
   ジュリアス・W・ハリス(ティーヒー)
   ジェフリー・ホルダー(バロン・サメディ)/他 

解説

シリーズ第8弾。ロジャー・ムーア初主演作品。ショーン・コネリー=ボンドのイメージから脱却を図るため、新人のジョージ・レーゼンビーを二代目ボンドに置いたものの、人気が上がらず、ショーン・コネリーが第7作『ダイヤモンドは永遠に』で再びボンドを演じるが、コネリーは、その作品をもって、完全にボンド役から撤退。改めて、プロデューサーは、すでに当時スターであったロジャー・ムーアを起用した。ロジャー・ムーアの風格は、まさにボンドとマッチしていた。この作品で初主演ながら、違和感のない新しいボンド像を作り上げている。ロジャー・ムーア版ボンドは、コネリー=ボンドと比べ、ユニークなセリフが多く、軽い印象を受ける。実は、007初期作品『ドクター・ノオ』から、ロジャー・ムーアには、ボンド役のオファーがあったそうですが、その時、彼は、出演していたテレビ番組を優先して断ったらしいです。

この作品では、タロットカードを使った占いやら、黒魔術など、オカルトチックで神秘的な要素が強いせいか、以後のムーア=ボンド作品と比べると、内容は、地味で、いまいち印象の薄い作品に見える。そう言えば、この映画が製作された年と言えば、オカルトブーム真っ只中。それが少なからず作品の題材に影響を与えているのかもしれません。黒魔術といえば、『ナイトライダー』「黒魔術ブードゥ!恐怖の脳支配」のエピソードの題材としても取り上げられていましたが、この作品の影響かどうかは、定かではありません。

今回もユニークな兵器が登場している。ボンドの腕時計に仕掛けられた超強力磁石や、キャデラックのドアミラーに仕掛けられた毒矢、ガス圧縮弾など。片腕にフックをつけたティーヒーや、ワニやサメを使った拷問シーンなど、ロジャー・ムーア版007に欠かせないキャラクター設定や場面の基礎がこの作品により構築されたようにも見える。二階建てバスでのカーチェイス、池の真中の岩の上でワニに囲まれてしまったボンドの脱出劇など、緊迫感のあるシーンが数多くあり、とても面白い。ペッパー保安官が登場した辺りから、さらにコミカルになって行き、極めつけは、クライマックスのジェッド・ボードによる壮大なボート・チェイス。このアクションでボートが車を飛び越えていく場面では、ボートにジェットエンジンをつけ、離陸地点と着陸地点にスロープを設置し、110フィート(約33m)と言う記録的な大ジャンプを果たした。このボート・チェイスは、最近作のブロズナン=ボンド『ワールド・イズ・ノット・イナフ』に受け継がれているように見える。

 

ストーリー

カリブ海の島国・サン・モニークを調査していたイギリスの三人の情報部員が何者かに殺された。事件の裏には、黒人の麻薬シンジケートの影が。指令を受けたボンドは、アメリカに向かい、サン・モニークの大統領Dr.カナンガの捜査を開始。カナンガにタロットカードで指示を与えているソリテールと言う女性を探し始める。

 

ドクター・ノオ ロシアより愛をこめて ゴールド・フィンガー サンダーボール作戦

007は二度死ぬ

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